記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
今日の私たちをとりまく環境は、ますますあわただしさを増す一方で心が落ち着くひまがありません。日々積もっていく疲労がやがてストレスとなってのしかかり、心だけでなく体にも異変となって現れ、生活に支障をきたしてしまいます。
いかにストレスをためずに解消していくかについて解説していくので参考にしてください。
ストレスは様々な心身の変化を引き起こします。
まず、過度なストレスが溜まることによって生じる心身の変化で問題となりやすいのは自律神経バランスの乱れです。自律神経には交感神経と副交感神経があり、それぞれ相反する作用を持ち、全身の様々な反応を調整しています。ストレスはこの調整のバランスを乱しやすくするため、動悸や発汗、めまい、たちくらみなどの身体症状を引き起こします。
また、精神的な影響としては抑うつ気分になりやすく、不眠症、食欲低下などの原因になることも少なくありません。
そして、ストレスが溜まると免疫力を低下させるステロイドホルモンが多く分泌されるようになるため、風邪や感染症などにかかりやすくなるのも大きな影響の一つと言えます。
運動不足は、ストレスの主な原因のひとつです。
仕事や人間関係に対処して脳がフル回転なのに体の活動が不十分だと、心と体の疲労にアンバランスが生じることがあります。
運動を取り入れることは、健康面だけではなく精神面にもよい効果をもたらし、気分を晴れやかで前向きにしてくれるでしょう。また、運動することは、睡眠に関する悩みの解消に役立つこともあります。
ものごとを否定的ではなく、前向きにとらえるようにしましょう。とくに自分自身のよいところを見つけてるように努め、たとえ困難な状況に立たされたときも自分のせいだと落ち込むのではなく、自分を責めないような心を持つようにしましょう。
また、周囲の人の親切にすると、人とのつながりによって自信が回復したり、ものの見方がクリアになることがあります。
特定のことを繰り返してばかりいることを回避行動といい、これは女性よりも男性に多く見られるといわれています。「ストレス発散に欠かせない」といつまでも続けていると、依存に陥ってしまう恐れがあります。
また、お酒やたばこなどは健康リスクを高めます。一時の気晴らしにはなっても、根本的な問題が解決するわけではありません。ストレスの原因と向き合うようにしましょう。
かねてより私たち日本人の働きすぎは指摘され続け、働き方についても問題視されています。自分にとって安らげる時間がもてないことはストレスの大きな原因であり、やがては日々の業務にも支障をきたしてしまいます。
仕事の中で優先度を順序付けたりするなど、効率性を高める工夫をしてみましょう。余暇を活かして、地域活動や語学スクールに通うといった自己啓発につとめるのもよいかもしれません。
この呼吸運動は毎日のルーティンの一環として、日常的に行うのが効果的とされます。ストレスだけでなく、不安やパニック状態のときにも使えます。できるだけゆったりした格好で行いましょう。
日々の生活習慣をいきなり変えることは、なかなか難しいものです。ですから、小さなことでもできることから変えていく努力をしてみましょう。お酒を買う量を減らしてみたり、お風呂あがりにストレッチングをしてみることくらいはできるのではないでしょうか。自分に合ったストレス解消法を見つけ、ストレスをコントロールしていく方法を身につけてください。