不眠症対策 ~ 家庭でできる7つの方法 ~

2017/7/25

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

夜なかなか眠ることができず、睡眠不足に悩まされていませんか? 不眠症は日常生活に気をつけることで対策ができる症状です。今回は、家庭でできる不眠症対策を7つご紹介するので、なかなか寝付けなくて困って人は参考にしてください。

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家庭でできる7つの不眠症対策

多くの睡眠障害は単純かつ常識的な方法で克服することができます。以下に不眠症の対策として、家庭でできる方法を7つご紹介します。

寝る前に食べない

夜遅くにお菓子を食べたり、遅めの夕食のときに食べ過ぎたりしないようにしましょう。寝る前3時間は何も食べない方がよいといわれています。タンパク質は意識の覚醒を促し、炭水化物は気を鎮め、眠たくする働きがあるので、高タンパク質で低炭水化物の昼ごはんを摂ることがおすすめです。そうすれば午後の眠気を抑え、昼寝の欲求が軽減するでしょう。対照的に、高炭水化物で低タンパク質の食事は寝る前に眠気を誘うものとして利用できるでしょう。

運動する

定期的に運動しましょう。軽い運動はストレスをコントロールするのに役立ちますし、自然に刺激を受けることはカフェインなどの外部の刺激を必要性の低減につながります。日常的に運動する習慣がつけば、睡眠のサイクルも定まってきますし、夜にきちんと眠気を感じるようになります。ただし、寝る2時間前に激しい運動をすると眠りに落ちにくくなるので避けましょう。

睡眠の環境を整える

寝る環境、たとえば、ライト、音、温度などがありますが、これをコントロールすることで不眠症を防ぐことができるかもしれません。夜勤労働者は特にこうした要因に焦点を当てると良いでしょう。毎日同じ時刻に寝るのも、24時間周期の生活リズムや睡眠パターンを築くのに役立ちます。

眠気がきやすくなる習慣:寝る儀式をつくる

睡眠とセックス以外に、寝室、ベッドを使わないようにしましょう。寝る準備ができたときにベッドに入り、目が覚めたらベッドから出ましょう。真夜中に目が覚めてしまい、30分以内に再び眠りに落ちることができなかったら、起き上がって眠くなるまで休憩したり、心地良い椅子に座って本を読んだりしましょう。眠気がきやすくなるような習慣を確立することが大切です。たとえば、お風呂に入る、ホットミルク(ミルクには脳内で睡眠を促進する化学物質に変化するアミノ酸が含まれています)を飲むなどがあります。また、たくさんの人がセックスの後はリラックスしているように感じるようです。リラックスするテクニックも眠るためには役に立つかもしれません。

昼寝をしない

睡眠のサイクルが定まってきたら、昼寝を減らしましょう。寝る前7時間から8時間の間は昼寝をしないようにしてください。

夜遅くに飲酒しない

夜遅くにアルコール飲料を飲まないようにしましょう。アルコールは、脳内にある睡眠を規則正しくコントロールする神経伝達物質を乱し、通常の睡眠パターンに悪影響を及ぼします。これらの神経伝達物質(ドーパミンやセロトニンを含む)が乱れると、不眠症のような生活の乱れにつながります。少量のアルコールはリラックスや眠気を誘う作用があるので、しばしば鎮静剤として使われますが、不眠症の改善のための鎮静剤としてアルコールを使うというのは、誤った使い方といえるっでしょう。。なぜなら、多くの場合でアルコールの副作用が自然な睡眠パターンの獲得に対して有害だからです。また、アルコールは睡眠時無呼吸につながることがあります。

睡眠記録をつける

不眠症が良くならない場合は、睡眠の記録を日記につけてみましょう。この記録は、不眠症の根本からの原因を探すときに役立つ場合があります。

赤ちゃん・子供の不眠症対策

赤ちゃんや子供が不眠症にならないようにするためには、保護者は子供の近くにいないほうが良いといわれています。寝ようとしているときに周囲に誰かがいると、子供の注意が周囲に向き睡眠が削られ、睡眠不足になる可能性があります。また、子供がなかなか寝てくれないという場合は、何らかの雑音で睡眠が妨げられていないかを確かめましょう。寝るのを邪魔する雑音をカバーするために、穏やかな音楽が流れるラジオを置いてみてもいいかもしれません。 子供に寝るようにきつく言い聞かせるのはやめましょう。恐怖により睡眠不足になってしまいます。 また、医師への相談無しに睡眠薬を子供に与える行為は厳禁です。

おわりに:不眠症対策で改善されない場合は

不眠症は、カフェイン摂取のような生活習慣の問題以外にも、鬱病などの医学的な問題が根底にあることがあります。そのため、不眠症を引き起こす、あるいは、悪化させる問題を特定し対処することが予防につながります。しかし、医学的または習慣的な要因に対して対処しても不眠症が改善しないときや、初期の不眠症のようにこれといった原因が思い当たらないときは、医師が他の対処・治療を勧める場合もあります。

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