記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/4
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
多くの女性が悩んでいるという生理痛。
毎月のことだからこそ、少しでもラクにしたいという方も多いのではないでしょうか。この記事では生理痛の原因や痛みを軽減する方法などをご紹介します。
生理期間中の腹痛、腰痛、頭痛など・・・辛い生理痛が起こるのはいったいなぜなのでしょうか?
ここではその原因と考えられている4つの理由をご紹介します。
生理痛の原因は、排卵時に分泌されるプロスタグランジンという生理活性物質の働きによるものです。
プロスタグランジンが子宮内で月経血の排出を促すことで子宮の伸縮が過剰になり、腹痛や腰痛などの生理痛が引き起こります。
子宮の出口が狭いと月経血が流れにいために痛みを感じます。
これは出産経験のない女性に多く見られる原因です。出産を経験すると子宮の出口が広がるので、生理痛が軽くなる場合もあります。
体が冷えると血液のめぐりが悪くなり、プロスタグランジンが骨盤内で停滞しやすくなります。そのため、プロスタグランジンの量が増えて痛みが強まるのです。
ストレスはホルモンや自律神経のバランスを崩し、血液循環や体温調節の機能などを低下させます。それによって体が冷えやすくなったり不快な症状を感じやすくなったりと、生理痛を悪化させる原因となります。
生理痛を和らげる方法はいくつかありますが、体質を変えるには生活習慣を改善することが最も効果的です。ここでは生理痛を軽減する生活習慣についてご紹介します。
生理を引き起こす女性ホルモンの分泌は生活リズムの乱れに影響を受けやすいため、不規則な生活や睡眠不足は生理痛を悪化させる原因となります。
女性ホルモンの分泌が乱れると生理痛の他にも多くの生理トラブルを招く可能性があるので、日頃から決まった時間に寝起きするのがおすすめです。
体の冷えは血行を悪くし、生理痛を悪化させる原因になります。
ミニスカートやガードルのように体を締め付ける服装は体を冷えやすくするため、生理中はあまりおすすめできません。
血のめぐりを良くするには、お風呂にゆっくりと(10~15分程度)つかる、温かい飲み物を摂るなどして体を温めましょう。
また、血行を良くする方法として定期的な運動もおすすめです。
「生理中は甘いものが欲しくなる!」という人も多いかもしれませんが、ケーキ、バター、チョコレートなどのスイーツに含まれる砂糖や脂肪分の摂りすぎは生理痛を悪化させる原因になります。
砂糖の摂りすぎはイライラや情緒不安定を招き、脂肪分の過剰摂取はホルモンの代謝に関わる肝臓の機能を低下させるからです。
同様に、コーヒーやコーラなどに含まれるカフェインにも注意が必要です。
体質的に合わない場合を除き、生理痛が辛いときは鎮痛薬を利用してもかまいません。鎮痛薬は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)のもので、痛みの原因となるプロスタグランジンの生成を抑えて生理痛を和らげる効果が期待できます。
また、服用のポイントは痛みを我慢しないことです。
鎮痛剤はプロスタグランジンの生成を早く抑えるため、痛みはじめた時点で服用するとより効果を得られます。
体質を改善するには、生活を見直して生理痛の原因となっている習慣を取り除いていくことが最も効果的です。睡眠時間や食べ物を改善する、生理中は体をしめつけない服装にするなど、まずは生活の中でできることから取り組んでいきましょう。