記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/9 記事改定日: 2018/10/23
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
便秘は非常に一般的な症状ではありますが、まれに病気が原因で起こる場合もあります。今回の記事では大人の便秘だけでなく、赤ちゃんや子供の便秘に隠された病気について詳しく解説していきます。
便秘の症状を伴う病気には以下のものがあります。
この病気は腹部の痛み、ガス、痙攣等を引き起こします。また便秘を起こす可能性もあり、その後に下痢が伴う場合もあります。ほとんどの人は食生活とストレスをコントロールすることによって症状を抑えることができますが、薬剤やカウンセリングを必要とする場合もあります。
腸の中の腫瘍によって腸が狭くなっていると、便秘になる事があります。さらに、便秘で長期間便が滞っていると、腸内のつまりを防ぐため便が水様になり下痢になる場合もあります。
子宮筋腫や卵巣のう腫とは、子宮や卵巣に良性の腫瘍ができる病気です。あまりに大きくなると膨らんだ腫瘍が腸を圧迫してしまい、便秘になることがあります。
痔、裂肛(便秘や硬い便が原因で肛門が切れ、出血した状態)は便秘に関係していることがよくあります。今まで正常な排便リズムを保っていたのに、排便習慣に突然変化が現れた場合は医師の診断を受けましょう。
パーキンソン病、脊髄損傷、或いは脳障害等、脳と脊髄に影響を与える疾患があると、腸管を移動する便の速度を遅めてしまう可能性があります。糖尿病や甲状腺の問題もまた然りです。自分の便秘が他の健康事情と関連していると思われる場合は、医師に相談しましょう。
便秘は腸が正常に動いていないサインであり、便秘は想像以上に身体へ大きな影響を与えている場合があります。便秘に加えて以下のような症状を伴う場合、病気のサインかもしれません。
便秘が改善されず、日が経つにつれて症状が重くなっていく場合は病院で診察を受けることをおすすめします。また、以下の症状がある場合は病院で診察を受けましょう。
赤ちゃんや子供の便秘の原因としては、一般的に母乳不足や水分不足、繊維不足が考えられますが、まれに先天的な異常や病気によって便秘になっていることがあります。具体的には以下の病気が挙げられます。
赤ちゃんや子供が、ただの便秘か病気かを見極めるには、「機嫌の悪さ」が一つのポイントとなります。2日程度便通がなくても、機嫌はそこまで悪くなく、単に便が硬い場合は便秘の可能性が高いです。しかし機嫌が悪く、10分おきに激しく泣いて嘔吐や血便をする場合は腸重積症、1週間以上排便がなくお腹が張っている場合はヒルシュスプルング病など、何らかの病気の可能性が考えられます。
便秘は年齢性別を問わず、非常にありふれた症状の一つです。しかし、便秘を放置することで、腹痛や腹部膨満感、食欲不振などの症状を引き起こすだけでなく、便から排出される有毒物質が小腸や大腸から吸収され、肌荒れや吹き出物ができやすくなります。また、便が硬くなることで痔の発症・悪化につながることもあります。
さらに、強固な便秘を長期間放置すると、便が大腸に詰まって腸閉塞を引き起こしたり、便が大腸の壁に穴を開けることもあります。
便秘が続く場合や、強固な便秘で市販薬などを使用しても排便にいたらない場合は早めに病院へ行くようにしましょう。
現代人の多忙なライフスタイルが、ほとんどの便秘の原因といえるかもしれません。しかし、持続性の慢性的な便秘の場合は、より深刻な病気の症状の可能性があります。また、便秘を放置すると病気になってしまうことも少なくありません。
腸や便に少しでも違和感があれば、気兼ねせず病院へ行くことをおすすめします。
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