記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/10 記事改定日: 2019/8/5
記事改定回数:3回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
記事監修医師
東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック
二宮 英樹 先生
風邪の症状全般をラクにしてくれる風邪薬ですが、中には便秘を引き起こしやすくするものもあります。この記事では、風邪薬によって便秘になってしまう理由やその対処法についてご紹介します。
風邪薬を飲んだときに便秘を引き起こす原因となるのは、咳や鼻水を抑えるために使われている抗ヒスタミン系の成分と鎮咳薬に使われる成分です。
抗ヒスタミン剤は、花粉症やアレルギーなどの鼻炎症状の治療にも利用されます。鼻水などの鼻炎症状を改善する反面、同時に大腸の働きにも影響を与えてしまうため、便秘が発症しやすくなります(専門的な用語を用いると、抗ヒスタミン薬による抗コリン作用によります)。また、鎮咳薬は、その名の通り咳を止める効果がありますが、副作用として便秘が起こる可能性があります。
全ての風邪薬が便秘になりやすいというわけではないものの、特に市販の風邪薬は咳、くしゃみ、鼻水、悪寒、発熱、頭痛など、風邪の症状全般に効くように作られているため、副作用として便秘が生じることが多いと考えられます。
風邪薬の副作用などで一時的に発生する便秘への対処法を以下にご紹介します。
便秘のときに風邪薬を飲むこと自体は問題ありません。便秘が風邪薬の副作用によるものであれば、風邪薬の服用をやめれば自然に解消していくと考えられるからです。不安な場合は、飲む前に医師や薬剤師に相談してください。
風邪薬の影響で便秘になってしまっても、風邪の症状がひどい場合には風邪薬を服用して症状の改善を優先してください。ただし、あまりにも便秘がひどい場合や、もともとの便秘がさらに悪化した場合は、医師の診断を受けたほうがよいでしょう。
風邪薬と便秘薬を一緒に飲んでも、副作用などの問題が起きる可能性はほぼありません。ただし、便秘のほかに持病がある場合や他の薬を服用している場合は薬同士の相性が悪いことも考えられます。服用前には、飲み合わせが悪いものがないか、必ず医師や薬剤師に確認しましょう。
風邪が原因で便秘が引き起こされることがあります。まず、風邪を引いて発熱が続いたり、吐き気や嘔吐によって脱水状態となると、便が硬くなって便秘になりやすくなります。また、風邪で横になっている状態が続くと、運動不足になって腸の蠕動運動が低下することも便秘を引き起こす原因のひとつです。
さらに、風邪によって免疫力が下がったり、自律神経のバランスが乱れると、便秘や下痢といった排便の異常を来たすことも少なくありません。風邪を引くと、さまざまな原因から便秘になりやすくなります。風邪が治ると便秘も解消しやすくなりますので、まずは風邪を治すことを優先しましょう。
風邪が原因で便秘になったときは、十分な水分を摂り、食物繊維を多く含んだ食事を心がけましょう。
食物繊維には水溶性と不溶性のものがありますが、風邪による便秘の時には水分も多く含んだ水溶性のものを選ぶとよいです。水溶性食物繊維は、果物やイモ類、葉物野菜、海藻などに含まれています。便の水分量を増やし、便を柔らかくしながら排便を促すので、水分不足や腸の蠕動運動低下による便秘に効果的です。
一方、大豆や穀類などに含まれる不溶性食物繊維は、便のかさを増やして排便を促す効果があります。風邪を引いたときには便が硬くなりやすく、腸のぜん動運動も低下しているため、ただ便のかさが増えるだけではかえって便秘が悪化することがありますので気をつけてください。
風邪の症状全般を治してくれる風邪薬は心強い味方ですが、含まれる成分によって便秘になってしまうこともあります。ただし、風邪の症状がつらい場合はその改善が先決です。体調が落ち着いてから、便秘に対処していきましょう。
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