記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/8/18 記事改定日: 2018/11/26
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
尿路結石は、突然の激痛が現れる病気です。痛みがないこともありますが、結石が移動するとさらにひどい痛みが起こることもあります。
この記事では、尿路結石の原因について解説していきます。予防のために役立ててください。
結石とはシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムなどが固まってできる硬い結晶のようなもので、「尿路結石」と呼ばれるのは、腎臓から尿管、膀胱、尿道までの尿の通り道(尿路)にできるからです。
腎臓のなかに結石があるときはほぼ痛みを感じません。しかし、結石が尿管に移ったとたんに激痛を起こします。
結石が尿管に入ってくると細い尿管をふさいでしまい、尿の圧力が高まり尿管がけいれんを起こし、神経を刺激し痛みが生じます。その後腎臓が障害されると、下腹部だけでなく、わき腹や腰に激痛が起こるようになります。。
結石自体が生死にかかわるわけではありませんが、痛みが非常に強く日常生活がままならなくなり、排尿の問題が起こるとさらに日常生活に支障をきたすことになります。
以前は中年以降の男性に結石ができることが多かったのですが、最近は若い人も多くなり、女性の患者も増えてきています。これは食生活が欧米化し、肉類などの動物性タンパク質をたくさん摂ることが原因と考えられています。
これは、動物性タンパク質をたくさん摂ることでシュウ酸や尿酸などが体の中に増えるからです。
シュウ酸はカルシウムと結合しやすい物質のため、本来は腸内でカルシウムと結びつき、便とともに排泄されます。しかし、シュウ酸の量が多過ぎると便で排泄できなくなり、排泄できなかったものは尿から排泄されるようになります。
尿内でシュウ酸がカルシウムと結合しかたまってしまうと結石になってしまうのです。
尿路結石は、不適切な日常生活を続けることで発症のリスクが高くなります。
尿路結石は、シュウ酸とカルシウムなどが固まることで形成されます。特に尿量が少なくなると、尿中のシュウ酸が高くなることで、結晶化して結石を作りやすくなります。日頃から水分はしっかり摂るようにし、過度な飲酒なども控えるようにしましょう。
また、食事ではシュウ酸の多く含まれる、ホウレン草などの過剰摂取は控えることが必要です。結石の成分の一つであるカルシウムはある程度はしっかり摂取した方が、尿路結石の再発予防によいことが証明されていますが、過剰な摂取はお勧めできません。また、体によいとされるビタミンCも体内でシュウ酸に分解されますので、程々にしておきましょう。
さらに、尿路結石は過度なストレスが原因となることもありますので、日頃からストレスを貯めがちな生活を送っている人は注意が必要です。
尿路結石は、不適切な日常生活を送ることで発症リスクが高まるため、それらの生活習慣を改善することが大切です。具体的には以下のことに注意しましょう。
体内の水分が減少すると尿量も減り、結石が形成されやすくなります。腎不全や心不全など医師から水分制限を受けている場合を除いて、一日に2ℓ程度は水分を摂るようにしましょう。特に汗をかきやすい夏場は注意が必要です。
また、過度な飲酒は、脱水の原因になりますので適量に控え、塩分の摂りすぎは体内に水分を貯めて尿量の減少につながりますので、十分注意するようにしましょう。
尿路結石は、シュウ酸やカルシウムなどが結晶化したものです。シュウ酸はホウレン草や紅茶などに多く含まれ、カルシウムは牛乳や魚、肉などに多く含まれます。カルシウムはある程度摂取した方が尿路結石の予防になることが証明されていますが、極端に多量の摂取は控えるようにしましょう。
尿路結石で痛みが出てしまうと、じっとしていられないほどの激痛が現れます。
そんな痛みを体験したくないのであれば、毎日の予防が重要です。
水分摂取やカルシウムの摂取、食生活の改善、ストレス対策などできることからで構わないので、今から少しずつ対処を始めていきましょう。
この記事の続きはこちら