記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/1/12 記事改定日: 2019/7/31
記事改定回数:2回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
腎結石は腎臓に結石ができる病気です。大半は痛みが出ませんが、尿管に移動したり、引っかかったりすると激痛が起こることがあり、長期間結石がある状態が続くと腎機能が低下するおそれがあります。
この記事では、腎結石の症状や予防に役立つ食事について解説していきます。
結石はシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムなどがかたまってできるもので、結石が腎臓にできると腎結石といいます。他にも、尿管や尿道、膀胱にできることがあり、これらの「尿路」に結石ができることを尿路結石といいます。腎結石の場合は無症状のことも多く、超音波検査などの画像検査で発見されることが大半です。
腎結石は、小さなものでは尿管から膀胱を経て自然に尿中に排出されるため、無症状である場合もあります。しかし、ある一定以上の大きさになると、結石が尿管を通る際に尿管の壁を傷つけ非常に強い痛みが生じ、同時に血尿を生じることもあります。
非常に強い痛みは発作的に突然生じ、冷や汗や嘔吐が生じるほどの強さの痛みが襲うことも少なくありません。しかし、尿管を通過して膀胱に移動すると痛みが弱まり、尿に排出されると何事もなかったように痛みがなくなることもあります。
一方、結石が大きく尿管にはまり込んだ状態が続くと細菌感染を引き起こして腎盂腎炎などの重篤な病気を合併することもあるので注意が必要です。
腎臓に結石ができる主な原因は、腎臓にシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムなどが溜まりやすくなることです。これらの結石は、たんぱく質や塩分、脂質などを多く含む食事を摂ることで発症しやすく、また体内の水分が不足する事で結晶化しやすいことが知られています。また、運動不足の人も骨のカルシウムが尿に溶け出しやすく、特に寝たきりの人は結石ができやすいとされています。
他にも痛風や腎盂腎炎などの病気によって結石が生じることがあり、食生活などの生活習慣を改善することが発症予防につながります。
結石は食生活が密接に関係しています。結石患者は、1日の食事量の半分近くが夕食に偏っていて、とくに動物性タンパクの摂取が多い傾向にあります。そのため、規則正しい、バランスの良い食事を心がける必要があります。
結石を改善するためには適度なカルシウム摂取が重要です。1日600〜800mgの摂取を心がけることで、結石の発生頻度を減らせるという結果が報告されています。
さらに、シュウ酸は結石を形成促進する物質といわれています。シュウ酸を豊富に含むほうれん草やたけのこ、チョコレート、紅茶などの過剰摂取を控え、カルシウムと同時に摂取することで腸管から吸収されるシュウ酸の量を減少させるようにしましょう。また、塩分は1日10gを目安に減塩するようにしましょう。
小さな結石を尿と一緒に体外に排出するためにも水分を補給する必要があります。食事からとれる水分も合わせて1日2リットルを目安に水分摂取をしましょう。ただし、お茶や紅茶にはシュウ酸が含まれているため控えることをおすすめします。
また、ビールなどのアルコール飲料は結石の形成を促すこともあるので控えるようにしてください。さらに、砂糖はカルシウム排泄を増加させるため、甘い清涼飲料水なども避ける必要があります。どれも、過剰摂取しなければ結石に直接影響のあるものではありませんが、日常的に飲む週間がある場合は生活習慣の見直しが必要です。また、食生活の改善に加えて適度な運動を組み合わせるようにしてください。
腎結石に限らず、尿路結石を改善、予防するにはカルシウムを十分に摂り、シュウ酸の摂取量を減らす必要があります。さらに塩分やお酒を控えることも大切です。その他、適度な運動と十分な水分補給を注意しながら、健康的な生活習慣を送るように努めましょう。
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