記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/9/13 記事改定日: 2019/1/17
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
外耳炎は、水泳耳ともいわれる外耳の病気です。外耳炎にかかると、耳に痛みやかゆみが発生します。
今回の記事では外耳炎を早く治す方法と病院へ行った方がいいサインを紹介していきます。
外耳炎とは、外耳と鼓膜を繋ぐ道である外耳道に炎症や感染が起こることをいいます。外耳炎は、水や汚れ等が外耳道に侵入した時に起こることが多く、水泳など水に触れる機会が多い子供や若年層に多くみられます。
外耳炎は、危険な状態になることはほとんどなく、耳を触らないようにして刺激を与えなければ自然に治ることも多いです。
ただ、3日以上症状が治まらず長期化てしまうと、痛みが悪化するだけでなく、慢性化したり合併症を発症したりすることがあるので注意が必要です。
また、糖尿病患者や免疫系に問題がある人の場合はより治りにくくなり、側頭骨や頭蓋底部の骨、周辺の軟骨などに細菌の感染が広がり、髄膜炎や頭蓋内血栓症を引き起こしてしまう危険性があります。
上記の例は非常にまれな症例ではありますが、持病のある人や高齢者の人で耳の痛みなどの症状が現れたときは、早めに病院を受診しましょう。
外耳炎を治すには、外耳道に余計な刺激を与えないことが大切です。外耳炎への刺激を避け、自然治癒を助けるには、以下のような対策がおすすめです。
外耳炎の多くは、以上のような対策を行うことで自然に良くなります。しかし、炎症が強い場合には適切な治療を受けないと良くならなかったり、さらに症状が悪化することも少なくありません。また、中には外耳炎ではなく中耳炎などを発症していることもあります。
以下のような症状が見られる場合は、なるべく早めに病院を受診して検査・治療を受けるようにしましょう。
急性外耳炎と診断された場合は、感染部位を除去し、抗生物質や酢酸ヒドロコルチゾンなど外用薬(点耳薬)が処方されます。
症状がある程度進行してしまったものについては抗生物質を追加することがありますが、炎症がさらに強いものについては、5%の酢酸アルミニウムや抗生物質をしみ込ませたガーゼの芯を挿入し、薬を外耳道の奥まで届かせるような処置が行わるでしょう。
外耳炎が真菌によるものであった場合には、外耳道を入念に拭き取り清潔したあと、抗真菌剤の点耳薬が使用されます。ただし、鼓膜に穴があいている場合は点耳薬が内耳に悪影響を与える可能性があるため使用しないこともあります。
蜂窩織炎などがみられる様な重症化した外耳炎については、抗生物質の内服が必要です。また、症状を抑えるためにNSAIDsや経口オピオイドなどの鎮痛剤が処方されることもあります。
耳だれがあまりにも多い場合は、外耳道を切り開き膿を除去する「切開排膿」が行われますが、発症して間もない場合は切開しても治療効果が現れないとされているため、薬物治療で経過観察になることが多いようです。
外耳炎は自然に治ることも多いですが、3日以上症状が治まらないときや外耳炎を繰り返してしまうと慢性化のリスクを高めます。
自然に治ると甘く考えずに、耳に痛みを感じたら早めに病院を受診しましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。
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