肋間神経痛の原因って?痛みの改善のためにできることはある?

2017/9/19 記事改定日: 2020/2/4
記事改定回数:2回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

胸や背中の痛みは肋間神経痛でも起こります。では、肋間神経痛は何が原因で発症するのでしょうか。
この記事では、肋間神経痛の原因について解説していきます。痛みの改善に役立ててください。

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肋間神経痛の原因として考えられるものは

肋間神経痛は、肋間神経自体の問題や脊髄神経の問題、内臓疾患などが原因で起こります。原因になるものとして、下記のものが挙げられます。

  • 腫瘍、椎間板ヘルニア、脱臼、骨折などによる脊髄神経の圧迫
  • 側湾症の背骨の湾曲に起因した肋骨のアンバランスによる肋間神経の圧迫
  • 肋骨の亀裂や骨折の影響による神経痛(骨粗鬆症の人は激しい咳でも骨折する場合がある)
  • 帯状疱疹の後遺症(肋骨に沿ったところに水泡が生じ、持続性の激痛が発症する)
  • 肋骨に囲まれた心臓・肺・胃・肝臓・膵臓(すいぞう)などの内臓の異常
  • 肋骨や脊椎のがんによる症状や抗がん剤の副作用
  • ストレスや精神の病気などの心因性のもの

日常生活の中に、肋間神経痛の原因があることも!?

肋間神経痛は、何らかの病気やケガではなく日常生活の行動やライフスタイルが原因で引き起こされたり、それらが原因で症状が悪化することがあります。
主な原因としては次のようなものが挙げられます。

  • 猫背など前屈みの姿勢
  • 身体の冷え
  • 運動不足
  • 肥満
  • ストレスや睡眠不足、疲れの蓄積

肋間神経痛は、どう治療する?

肋間神経痛は、問診での病歴の確認や視診や触診に併せて、CT、MRIなどの画像検査や血液検査などで痛みが肋間神経に起因しているのか、脊髄や内臓の問題、帯状疱疹の後遺症で起こっているのかを鑑別し、必要に応じて心電図検査が行われることもあります。

外傷などが原因の場合は、ベルトなどの固定具で肋骨を固定し、痛みが起こらないように対処します。脊髄や内臓の疾患が原因になっている場合は、原因となる病気の治療が優先されるでしょう。

大きなケガや脊髄や内臓などに重篤な病気がない場合やは、消炎鎮痛剤や湿布剤が処方され経過観察が行われます。
鎮痛剤で改善がみられない場合は、神経ブロックや温熱療法、低周波治療などが選択されることもあります。

日常生活でできるケアはある?

病気や外傷などが原因の肋間神経痛は、「原因に対する治療」をしていけば自然に改善していくことがほとんどです。

ただし、原因がはっきりしない肋間神経痛は先に述べたような治療や日常生活上の習慣を改善しながら症状の軽快を目指していくことになります。

家庭では、肋間神経に刺激が加わるような姿勢は避け、規則正しい私生活を送ることが大切です。また、痛みが強いときは鎮痛剤や湿布などをうまく活用し、できるだけ安静に過ごすしましょう。
また、「身体の冷え」で痛みが悪化することもあるため、室内では空調や服装を工夫して身体の冷えを防ぐようにしましょう。

おわりに:胸の痛みは心臓疾患が原因の場合も。気になる症状が見られたら、病院で診てもらおう

胸が痛くなるのは肋間神経痛だけでなく、心臓病でも起こります。また、その他の内臓の病気や脊髄の障害などでも起こることがあるので注意が必要です。気になる症状がある場合は、早期に病院を受診し、原因を特定しておきましょう。

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