記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/3 記事改定日: 2019/1/16
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
胃腸風邪とも呼ばれる感染性胃腸炎は、下痢や腹痛、吐き気などが現れる病気です。この記事では、感染性胃腸炎の症状の特徴について解説していきます。
病院へ行くべき危ない症状や下痢止めなどの使用についても紹介しているので参考にしてください。
胃腸風邪は「感染性胃腸炎」といって、ウイルスや細菌が体内に入り、胃腸が炎症を起こしている状態で、風邪という名前がついていますが風邪とはまったく違う症状が出ます。
一般的に風邪はウイルスによる上気道炎をさしますが、感染性胃腸炎はウイルスや細菌などさまざまな微生物が原因になり得ます。
基本的に秋から冬にかけて流行し、10 月から増加して12 月頃にピークをむかえて、3 月頃まで発症します。
感染性腸炎は〈下痢、発熱、腹痛、寒気、嘔吐など〉の急性胃腸炎症状がみられることが多いです。おもな症状は下痢であり、そのほかの症状は病原体によって変わってきます。
とくに多いのは、ノロウイルスやロタウイルスによるものです。
ノロウイルスのおもな症状は吐き気、嘔吐、下痢、発熱、腹痛であり、子供は嘔吐、大人は下痢がよくみられます。症状の出る期間は平均24~48時間で、38℃を超える高熱が出るケースは少ないですが、その反面、嘔吐や下痢・胃腸の不快感が続きます。
症状は胃腸の不快感から始まる場合と、突然の嘔吐や下痢から始まる場合があります。
嘔吐や下痢から始まった場合は急激に症状が悪化することも多いです。
嘔吐や下痢などが治まった後は徐々に症状が収束しますが、食欲不振が長引くこともあります。
ロタウイルスの場合は、嘔吐、下痢、発熱、乳児では痙攣を起こすこともあります。
症状のあらわれる期間は平均5~6日です。
また、感染しても発症しないこともあり、軽い風邪のような症状しか出ないこともあります。
感染性胃腸炎が疑われるような頻回な下痢・嘔吐、腹痛などの症状あり、以下のような状態に当てはまる時は、脱水状態に陥っていたり、消化管に重度な炎症が生じている可能性が考えられますので速やかに病院を受診しましょう。
下痢止めや吐き気止めを使うと、ウイルスや細菌などで汚染された内容物が腸管に留まる時間が長くなってしまいます。そうすると体内の毒素の吸収が助長されて症状が長引く可能性が高くなるため、原則的には使用しないことが多いです。
赤ちゃんや子供、高齢者は、下痢などで脱水症状を起こす危険性があるので、こまめに水分補給をしているか確認しつつ、疑わしい症状がある場合は早めに医療機関を受診する必要があります。
とくに高齢者は嘔吐物が気管に入る「誤嚥性肺炎」を引き起こす可能性が高いため、嘔吐が治まったら少しずつ水分補給して安静にすることが重要です。
突然の〈腹痛、嘔吐、下痢、寒気〉症状が出たら、感染性胃腸炎(胃腸風邪)になっている可能性が高いです。胃腸風邪は一般的な風邪とは全く異なるので、疑わしい場合には早めに病院で診察を受けるようにしてください。
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