記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/25 記事改定日: 2019/6/27
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
建材などに含まれる化学物質が原因でさまざまな不調をきたす「シックハウス症候群」。
近年の住宅の高気密化に伴い、認知度が高まりつつある疾患ですが、具体的には何が原因になりどんな症状が現れるのでしょうか。
シックハウス症候群とは、室内において、建材や家具等から発生する有害な化学物質により、健康被害が発症することを言います。
主な症状はめまいや目の痛み、頭痛、皮膚の発疹、倦怠感などの呼吸器系のものになりますが、同じ室内にいても症状が出る人と出ない人がいたりするなど、症状の出方には個人差があります。
また、化学物質過敏症の人はシックハウス症候群を発症しやすい傾向にあります。
シックハウス症候群では次のような症状が見られます。目立った症状が現れない場合もありますが、はっきりとした原因もなく次のような症状が続く場合は放っておかず、できるだけ早く病院で検査・治療を受け、自宅の換気を見直すなどの対策を講じましょう。
シックハウス症候群は建材や家具などに用いられる塗料や接着剤などに含まれる揮発性の化学物質などが原因となることが多く、具体的にはホルムアルデヒドやアセトアルデヒド、トルエン、キシレンなど現在では13種類の物質の室内濃度指針が定められています。
しかし、シックハウス症候群はこれらの化学物質だけでなく、室内で異常増殖したダニやカビ、ストーブなどから排気される二酸化炭素・窒素酸化合物などが原因で発症することもあります。
国ではシックハウス症候群の発生を防止するため、建築基準法において有害物質の使用を制限し、24時間換気扇の設置などを義務付けています。
ただ、規制は新築時の建築物に限られ、規制の対象となるのは建材であり、家具やカーテンなどの備品類には規制が及ばないので注意が必要です。
また、シックハウス症候群は、省エネ対策のための室内の高気密化が原因になることもあります。新築後、約5年間は有害物質の発生が心配されるので、部屋の換気等にはとくに注意する必要があります。
シックハウス症候群の症状が現れたときは、まめに窓を開けて換気をし、換気扇を回しましょう。換気扇と窓の開放の同時で換気することで空気の循環がはやく進み、症状も回復しやすくなります。
また、換気だけでなくこまめな掃除も欠かさず行うようにしましょう。
原因物質を自分から遠ざけることが大切です。
なお、軽く汗ばむ程度の運動をしたり、規則正しい睡眠をとるなど生活習慣を見直すことも有効な対処法と考えられています。
もし家にいるときに目の痛みや頭痛、めまいといった不調に悩まされるようなら、もしかしたらシックハウス症候群かもしれません。換気などをして原因物質をなるべく遠ざけるようにしてください。