記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/17 記事改定日: 2018/12/27
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「全般性不安障害」とは、不安感がずっと続いてしまう心の病の一種です。
この記事では、具体的な症状や発症の原因、患者さんと接するときのポイントなどを解説していきます。
チェックリストも紹介しているので、自身や家族、パートナーの状態の確認に役立ててください。
不安感は、誰もが感じたことのあるごく一般的な感情です。ただ、毎日のように不安を感じ、それが数カ月も続くような状態は全般性不安障害に該当します。全般性不安障害を発症すると、不安が強すぎて仕事ができなくなる、眠れなくなるといった弊害が生じるようになるため、治療が必要になります。
全般性不安障害の場合は、不安感が生み出される原因がはっきりとしていないことが多いため、漠然とした不安がさらなる不安を招き、悪循環に入りやすくなるという特徴があります。
全般性不安障害の場合、精神と身体の両面で症状が見られます。
精神症状の具体例としては、常に落ち着かない、集中できない、記憶力の低下、怒りっぽい、神経過敏といったものがあります。
また、身体症状の具体例としては、頭が重い、肩こり、めまい、動悸、息切れなどがあり、これらの中で複数の症状を訴える人が多いです。頭痛や肩こりは、強い不安が筋肉を硬直させたことで起こると考えられています。
また、緊張しやすいということは、自律神経が非常に乱れやすいことを意味しています。自律神経失調症のような形となり、それに伴う身体の不調に見舞われることも考えられます。
全般性不安障害には様々な症状がありますが、多くは生まれ持った性格や気質と思われがちであり、周囲の人に理解されずに苦しんでいる人が多くいます。しかし、以下のような症状に当てはまるものが多い人は全般性不安障害を発症している可能性があります。
一度専門医に相談して、適切な検査・治療を受けるようにしましょう。
全般性不安障害の発症のメカニズムはまだわかっていません。
神経伝達物質の問題、遺伝的な問題、そして元々の性格の問題、環境の問題、考え方の癖など様々な要因が考えられますが、不安障害の場合は脳の一部分が過剰な動きをすることで不安を感じやすくなると考えられています。
この脳の働きを投薬や認知行動療法などで改めるようにするとその働きはおさまり、不安を感じにくくなるとされています。
家族や友人などに全般性不安障害の人がいたら、やさしく話を聞いてあげましょう。全般性不安障害ではない人にとっては大した不安ではないかもしれませんが、全般性不安障害の人からすれば命を左右する問題であり、大きな不安と感じているケースは往々にしてあります。
患者さんの話を聞いても「心配のしすぎ」と叱責する人も少なくありませんが、これでは全般性不安障害の症状を悪化させるだけです。話を聞く、できるだけの理解を示すことが大切なのです。また、認知行動療法などで考え方の癖を改善していくことも大事なので、色々な考え方があるというのを示すことも必要です。
いかがでしょうか。全般性不安障害は、漠然とした不安をずっと抱え続ける特徴があるため、不安が不安を招き、辛い思いをしている患者さんは少なくありません。
もし該当するような症状がみられる方が身近にいたら、ご紹介したような接し方を心がけ、無理強いしない範囲で専門の医療機関への受診をすすめてあげてください。
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