記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/1
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
難聴にはさまざまなタイプがありますが、中でも女性に多くみられるものとして、低音が聞き取りづらくなる「低音障害型感音難聴」があります。今回の記事ではこの低音障害型感音難聴について、発症原因や治療法などを解説していきます。
低音障害型感音難聴は、音を聞き取るための神経に影響が出ることで低音のみ聞こえなくなる難聴の一種です。ストレスなどで耳の奥の内耳にある蝸牛に内リンパ液が増え過ぎたことによって起こるとされており、「蝸牛型メニエール病」とも呼ばれています。メニエール病は平衡感覚に関係する部分にリンパ液が増えるためめまいが伴いやすいですが、蝸牛にたまってもめまいは起こらないため、めまいを伴わないメニエール病とされています。
なお、発症しやすい年齢もメニエール病と同様で、20代から40代の比較的若い女性に多い傾向にあります。これに該当する人で低音が聞こえにくい感覚があったら、すぐに検査を受けに行きましょう。
低音障害型感音難聴は多くの場合、徐々に低音だけ聞き取りにくくなったり、朝起きたら耳の閉塞感があって、ボーっというような低音の耳鳴りが続いたり、といった症状が現れます。また、耳に水が入ってしまった時のように、自分で話す声が響いて聞こえたり、テレビの音やほかの人が話している声がダブって聞こえているように感じたりすることがあります。
症状は個人差がありますが、ストレスの解消がうまくできていない自覚があって、低音のものが聞こえにくくなったのであれば、低音障害型感音難聴の可能性が高いので病院で検査を受けましょう。ただし、軽度の場合であると、低音が聞き取りにくくなっていることに気づかない場合もあります。
低音障害型感音難聴は、蝸牛のリンパ液が排出できず、増えすぎたことによって蝸牛内の水圧が高くなり、低音を感知する部分を阻害したことが原因と考えられています。 この一連の状態はストレスや疲労の蓄積、自律神経の乱れがあると引き起こされやすくなるとされています。
低音障害型感音難聴に対しては、リンパの流れを改善する薬が処方されるのが一般的です。具体的には利尿作用がある薬やビタミン剤などさまざまで、医療機関によっては漢方薬が処方される場合があります。
また、低音障害型感音難聴にはストレスの状態も大きく関連しているため、心身をリラックスさせるリラクゼーションに努めることも大切です。趣味を持ったり、軽度な運動を行ったりなどしてうまくストレスコントロールを行うことができれば、低音障害型感音難聴になった場合でも回復が早まると考えられています。
低音だけが聞こえなかったり、低音の耳鳴りが続いたりする低音障害型感音難聴。この発症には、ストレスが深く関連していると考えられています。日常的に仕事などでストレスが溜まりがちな方は、日頃からストレスの発散を心がけましょう。