記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/10/31
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
吐血とは文字通り「口から血を吐くこと」です。胃や十二指腸、食道などの上部消化管からの出血が原因のことが多いですが、口から血が出る原因はそれだけではありません。この記事では吐血の原因と対処法について解説します。
吐血は、おもに胃、十二指腸、食道などの上部消化管出血し、口から吐き出されるものです。ただし、口から出た血のすべてが消化管による出血が原因とは限りません。肺から出血する喀血の場合や、鼻血を飲み込んでしまった場合などいくつか考えられます。
上部消化管のなかでも、胃や十二指腸の出血による吐血には、吐き気や嘔吐を伴うことがほとんどです。また、胃酸の成分によって黒っぽく変色した血液が出るのも特徴になりますが、食道からの出血については真っ赤な鮮血であることが多いといわれています。上部消化管は一度出血すると再出血しやすい傾向にあり、まずはどこからの出血か、病気を突き止め治療を施す必要になります。
吐血を起こす病気のなかでも、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍が最も頻度が高いといわれています。潰瘍は再発が多く、一度出血を伴うと再出血しやすくなります。ヘリコバクター・ピロリ菌の感染による胃潰瘍や十二指腸潰瘍が話題になっていますが、薬で除菌することで再発を防ぐ効果があることがわかっています。
ついで、食道静脈瘤、胃悪性腫瘍、出血性胃炎、マロリー・ワイス症候群などが考えられます。
食道静脈瘤は、肝硬変を併発していることが多く、静脈瘤が破裂することで出血します。ほとんどが鮮血で吐血の量が多いのも特徴的です。内視鏡治療で止血、治療することで予防できるようになりました。
マロリー・ワイス症候群は、嘔吐を繰り返すことで粘膜に傷ができてしまうことで出血します。お酒の飲み過ぎが原因になるので注意しましょう。
吐血をしたときは、血の量に関わらずまずは安静にすることが大切です。
出血が少量の時は、動けるようになってから病院を受診し、大量に吐血したり、吐き気や嘔吐を伴ったり、顔が青ざめて脈拍が早くなったりしたときは危険な可能性があるので救急車を呼びましょう。
吐血の色が、茶色がかっていたり、黒っぽいよりも鮮血であるほうが危険度が高いとされています。これらに当てはまる場合には、まずは横になって、布団など高さのあるものの上に足を置き、頭の位置が低くなるようにしてください。救急車を呼んだときには、救急の人の指示に従って、適切に症状や状況を説明することも大切です。
また、症状が治まった場合でも、吐血をしたときは必ず病院を受診し、原因を調べるようにしましょう。
吐血には、何らかの病気が潜んでいることが多いです。まずは、吐血が起こらないように病気に気をつけることが大切です。体の不調を感じたり、少しでも吐血があればすぐに病院を受診するようにして、少しでも早く治療を開始し、これ以上進行させないようにしましょう。
また、定期健診も大切です。自覚症状がほとんどない場合でも、癌などの重篤な病気が隠れている場合もあります。体に何らかの症状や不調が出てしまうまえに、少しでもはやく病気を発見できるようにしてください。そして、消化管に負担をかけるような食生活は改善し、暴飲暴食や過度な飲酒、喫煙は控えるようにしましょう。
吐血は食道や胃、十二指腸などの病気が原因胃なることが多いです。病気を防ぐことが吐血の予防になるので、生活習慣を見直して病気の予防に努めましょう。
吐血したときは体が血を失っている状態のため、まずは安静にすることが重要です。多量に吐血したときは危険な状態の可能性が高いためす救急車を呼びましょう。また、仮に症状が治まった場合でも、吐血してときは必ず病院にいくようにしてください。