記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/11/13 記事改定日: 2019/1/22
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
中耳炎の種類のなかに滲出性中耳炎というものがあります。
滲出性中耳炎とはどのような中耳炎で、一般的な中耳炎である急性中耳炎とどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、滲出性中耳炎の症状について解説しています。
滲出性中耳炎とは、鼓膜と三半規管の間にある「中耳」という部分に浸出液と呼ばれる液体がたまっている状態を指します。
就学前の子供の9割はかかる中耳炎といわれていて、自分では異変に気づくことが難しい低年齢の子供に多く見られる病気です。また、子供の難聴の原因のひとつでもあります。
滲出性中耳炎になると軽い痛みを感じることもありますが、基本的に強い痛みはありません。耳だれや鼓膜に穴が開く、発熱などといった症状も見られないことも特徴です。
聞こえが悪くなったり、人の声や音がこもって聞こえたりといった症状が現れますが、子供自身は意識していないことが多く、呼びかけても振り返らない、テレビの音を大きくしたがるなどの行動によって親が気づき耳鼻科を受診するケースが多いといわれています。
急性中耳炎の治療が不十分で中耳に膿がたまったままになることで滲出性中耳炎に移行することもあり、見極めが難しい中耳炎ではありますが、急性中耳炎と滲出性中耳炎は異なる中耳炎です。
急性中耳炎のおもな原因は風邪などの感染症であり、滲出性中耳炎の原因で大半を占めるのは、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、アデノイド肥大により、耳管の働きが悪くなったり耳管がふさがったりすることです。
また、急性中耳炎では大半が痛みや発熱といった急性炎症の症状が見られますが、滲出性中耳炎では自覚症状がないことも珍しくありません。
滲出性中耳炎では、耳の治療はもちろんのこと、耳管の働きを低下させる原因となる鼻やのどの病気の治療を並行して行う必要があります。
子供の難聴は言語取得の弊害になることがあります。とくに、言葉を覚える幼児期は自分の症状を言葉に表すことができず、耳の聞こえにくさを自覚しても発見が遅れ、言語発達の遅れで病気が発見されることも少なくありません。
なかでも、滲出性中耳炎は子供に多い難聴原因であり、発症頻度が高い病気です。治療によって中耳内に溜まった浸出液が排出・消失すれば難聴は治ります。
これらの症状は、難聴のサインである可能性があります。滲出性中耳炎は発熱や耳痛などの症状が見られないことも多いため、難聴のサインがあるときは放置せず、なるべく早く病院を受診するようにしましょう。
滲出性中耳炎は急性中耳炎のように痛みなどのはっきりした症状は現れず、難聴や耳閉感などが主症状になるので注意が必要です。
特に子供は自分の変化に気づきにくく、症状をうまく伝えることができません。テレビの音量を上げたがるなど、耳が聞こえにくいそぶりが見える場合は、早めに病院を受診するようにしましょう。
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