記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/12/28 記事改定日: 2019/9/24
記事改定回数:3回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
横紋筋融解症とは、横紋筋という心筋や骨格筋を構成する筋肉が壊れてしまう病気です。赤褐色の尿や筋肉痛や脱力などの症状が現れ、重症化すると腎不全を発症するおそれがあります。横紋筋融解症の症状を正しく理解し、治療のタイミングを逃さないようにしましょう。
骨格筋と呼ばれる体を動かすための筋肉は横紋筋に属しており、心臓の心筋は横紋筋のひとつです。横紋筋融解症とは、横紋筋がなんらかの原因によって壊れてしまうことで、腎臓をはじめさまざまな臓器に影響が出てしまう病気のことです。
横紋筋融解症を発症すると、筋肉痛や筋力低下、脱力や麻痺などが現れ、赤褐色の尿が出るようになります。これらは横紋筋が壊れることで起こる症状で、横紋筋の損傷度合によって症状の出方は異なります。
赤褐色尿は血尿にも見えますが、赤いのはミオグロビンという物質が尿に排出されてしまうためです。赤褐色尿は横紋筋融解症特有の症状ですが、血尿にしても赤褐色尿にしても健康時にこのような尿がでることはありません。このような尿が出たときは早期の治療が必要です。
治療が遅れて病気が進行してしまうと、増加した血液中のミオグロビンが腎臓の尿細管を塞いでしまい、腎不全を引き起こすリスクがあります。
以下のような症状が続く場合は、横紋筋融解症を発症している可能性があります。思い当たる症状が多い人は、なるべく早めに病院を受診して検査・治療を受けるようにしましょう。
横紋筋融解症の原因は、外傷性と非外傷性に大きく分けられます。
横紋筋融解症がスタチン系などの薬物の副作用としてあらわれた場合、服薬したものに横紋筋融解症の副作用を引き起こすものが含まれている場合は、その薬の服用を中止します。
また、軽症な場合には特に治療を必要としないケースも多いですが、脱水症状や腎機能低下などがみられる場合には、脱水予防のための点滴や、場合によっては人工透析が必要になることも少なくありません。また、腎血管にダメージを与えるヘマチンという物質の産生を防ぐため、マンニトールなどを用いて尿をアルカリ性にする治療が行われることもあります。
さらに、横紋筋融解症では血中のカリウム濃度が高くなりやすく、重症の場合は高カリウム血症によって致死的な不整脈が生じることもあります。このため、カリウムの濃度を下げるために、グルコン酸カルシウムの投与やイオン交換樹脂の使用などが行われることもあります。
赤褐色尿が出たときや、思い当たる原因がない筋肉痛、脱力、麻痺などがあるときは、すぐに病院を受診するようにしましょう。
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