記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
男性の薄毛の多くはAGA(男性型脱毛症)といわれています。そのため、生活習慣の改善だけで薄毛を予防することは難しいとされていますが、薄毛は複合的な原因で起こる可能性があるため、頭皮マッサージなどが改善の糸口になることもあるのです。
この記事では、頭皮の環境を整えるシャンプーを使った頭皮マッサージのやり方について解説しています。
髪の毛は、成長して、抜けて、また同じ毛根から新しい髪が生えてくるというサイクルを回しています。この髪の毛のサイクルを「ヘアサイクル」といいます。ヘアサイクルは、「成長期」「移行期」「休止期」という3つの段階があります。
薄毛の原因と考えられているものは主に下記の4つです。
ただし、上記の4つのうち1つだけが原因とは限らず、複数の原因が影響しあうことで薄毛になる場合もあります。
頭皮マッサージをする目的は
頭皮の血流をよくするためには、頭皮のみをマッサージするだけでは不十分です。首のマッサージを合わせて行うことで効果が上がりやすくなるといわれています。
首のマッサージは、耳の後ろから顎の下に向かって指を使って流すようにマッサージしてください。すきま時間など、自分がやれるタイミングでやるだけでも効果が期待できることがあるので、継続して実施して習慣化しましょう。
頭皮を清潔に保つには、シャワーやシャンプーをうまく使うことが重要です。毛穴内部の汚れについては、シャワーを使ってケアすることができます。
まず毛穴内部の汚れが落ちやすくなるように、シャンプーをする前に水圧の強いシャワーを頭皮に当てながら軽くマッサージしましょう。シャンプーは刺激の少ないアミノ酸系の界面活性剤を使ったシャンプーがおすすめです。
石油系界面活性剤のシャンプーは洗浄力が強いため、皮脂を過剰に落としすぎてしまう場合があります。皮脂が過剰に奪われると頭皮が乾燥し、防衛反応としてさらに皮脂が分泌されることで頭皮環境が悪化して薄毛を悪化させる原因になる可能性があります。
ただし、アミノ酸系シャンプーが全ての人のあうとは限りません。シャンプーは使用後の頭皮の状態を確認しながら、自身の頭皮に合うものを選びましょう。
頭皮マッサージは頭皮の血行を良くし、毛母細胞を活性化する効果があるため薄毛に効果的と考えられています。
しかし、薄毛の中には脂漏性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎など頭皮の病気が原因のものもあります。このような病気が原因の場合、頭皮マッサージを行うことでかえって頭皮の炎症が悪化して薄毛が進行してしまうことも少なくありません。
頭皮のかゆみや赤身、フケなどがある場合は頭皮の病気が生じている可能性があります。まずは皮膚科や薄毛専門外来などを受診して、薄毛の原因を調べてもらい、適切な治療を行うようにしましょう。
頭皮の血行不良は薄毛を促進します。その対策として、マッサージは有効ですが、正しいやり方をする必要があります。また、頭を洗うときには、シャンプー前にシャワーでマッサージしながら予洗いをし、頭皮にやさしい成分でできているアミノ酸系のシャンプーなどを試しながら、自分の頭皮にあうものを選ぶようにしてください。