朝起きて顔がむくむのはなぜ?たるみの原因になるって本当?

2018/3/12 記事改定日: 2018/5/30
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

むくみといえば足を思い浮かべる方も多いと思いますが、朝起きたときの顔のむくみに悩まされる方も少なくないと思います。
今回の記事では、顔がむくむ原因と、効果的な予防法、むくみとたるみとの関係性をご紹介していきます。

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寝起きで顔がむくんでしまう原因とは?!

むくみ」とは、皮下に過剰な水分が溜まって腫れぼったくなった状態のことを言います。むくみの原因には様々なものが挙げられますが、心不全や腎不全などの病気がなくても、老廃物が溜まって血液やリンパの循環が悪くなることなどが原因となってむくみが生じることもあります。

日中の活動中には、水分は重力の作用に従って、下方に移動しやすく足を就寝にむくむことが多いです。しかし、就寝中は全身の重力は平等にかかりますので顔にもむくみが出やすくなるのです。

顔がのむくみは、生活習慣と体調に左右されることも!?

むくみは体内の水分によって引き起こされます。そもそもむくみとは、血液やリンパ液といった水分が、血流や代謝の不調で皮下に溜まったことで作り出されるものです。立ちっぱなしであれば重力で足に、就寝時には顔を含め体中に、それぞれ水分が溜まるようになります。起床時のむくみが、立って活動するうちに引いていくのには、そういった理由があるのです。

そして、顔のむくみには、体調や日常生活が影響しています。

たとえば、仕事で座る時間が長く、運動習慣のない方はむくみやすいです。運動不足によって全身が筋力低下しており、その結果血流が悪く、代謝も低下しています。血液やリンパ液が皮下に滞留すれば、むくみの原因になります。

また、寝不足も原因のひとつです。寝不足は、体内の酸素量を減らします。酸素が減れば身体は血液の循環量を増やします。そこで血中の老廃物が皮下に溜まると、むくみが引き起こされるのです。

冷えも、顔のむくみの原因となります。身体が冷えれば、血液やリンパ液の流れが悪くなります。するとリンパ液からの老廃物が溜まって、むくみが引き起こされます。

栄養不足やホルモンバランスの影響も!

栄養不足によるむくみは、無理なダイエットや乱れた食生活などが原因になります。顔のラインがふっくらするようなむくみが続きます。
また、女性の場合はホルモンバランスの影響によるむくみも多いです。月経が関係していることが多く、周期的にむくむ方が多いようです。

むくみがたるみの原因になるのはなぜ?

顔のむくみがたるみの原因になることがあります。「むくみ」と言えば、皮下に余分な水分が溜まって腫れぼったくなるため、たるみはむしろ解消されるのではないか?と思われがちです。

しかし、顔のむくみを放置すると、皮下に溜まった水分の重みで顔の皮膚が引き伸ばされたり、老廃物が溜まりやすくなることで皮膚の老化を引き起こすことがあります。その結果、ほうれい線などを中心に全体的に下方にたるんだ顔となってしまうのです。

顔のむくみを早く解消するにはどうすればいい?

顔のむくみは、軽度なものであれば、セルフケアでも改善することができますが、それぞれ以下のような対策がおすすめです。

マッサージ

顔に溜まった余分なリンパや水分を首のリンパ管へ送り出すようなマッサージが効果的です。
マッサージ前には顔にしっかりとクリームやオイルを塗り、目の周りや口の周り、額などを三本の指で内側から外側に向かって押し出すようにマッサージします。これを何度か繰り返した後は、耳の後ろから首筋にかけて上から下方向へ押し流すようにマッサージしましょう。
これをお風呂上りなどに毎日行うことで、顔のむくみの改善が期待できます。

運動

顔の表情筋を鍛えることで、余分なリンパ液や水分を押し出す力を得ることができます。
表情筋は普段使っていない部位が多いので、目を見開く、口を大きく広げる、眉毛を大きく上げる、頬を上げるなどの運動を一日5分程度繰り返すのがおすすめです。

食事

むくみは食生活が大きく影響します。特に瞼をはじめとした顔は全体的にむくみが生じやすい部位ですので、注意が必要です。
むくみを予防するためにも、塩分の多い食事は避ける、お酒は飲みすぎない、などの対策を行いましょう。

病気など、危険な顔のむくみの特徴

顔のむくみの多くは一時的なものであり、セルフケアを数日続ければ改善するものがほとんどです。
しかし、ごくまれに何らかの病気の症状として顔のむくみが生じることがあります。

代表的なものでは

  • ネフローゼ症候群などをはじめとした腎臓病
  • 甲状腺機能低下症
  • 脂肪肝やアルコール性肝炎などの肝臓病
  • 心不全

などが挙げられます。どれも早期に治療を開始しなければ、死に至ることや後遺症を遺すこともある重篤な病気であり、見逃すことはできません。
長く続く顔のむくみや瞼が開けにくいような高度なむくみがある場合には、早めに病院を受診するようにしましょう。

おわりに:たるみに発展する前に、顔のむくみを解消しよう

顔のむくみを長期的に放置していると、たるみや肌の老化につながってしまう恐れがあります。普段の生活習慣を改善し、むくみを解消しましょう。
ただし、むくみは病気が原因で起こっていることもあるので、気になるむくみがあるときは早めに病院を受診し、原因を調べてもらいましょう。

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