記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/2/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
サプリメントなどでよく見かける「コエンザイムQ10」。このコエンザイムQ10には、疲労回復や美肌効果があると言われていますが、果たしてこれは本当なのでしょうか?コエンザイムQ10の持つ効果についてご紹介します。
コエンザイムQ10は、細胞の中にあるミトコンドリアに存在する、生命活動のためのエネルギーを作り出す補酵素です。コエンザイムQ10は、特にエネルギーを必要とする心臓の筋肉や骨格筋、肝臓や腎臓に多く存在すると言われ、ビタミンと似た働きを持つビタミン様物質でもあります。
コエンザイムQ10は、1957年にアメリカ・ウィスコンシン大学のクレイン博士らによって発見され、牛の心臓細胞のミトコンドリアから単離した脂溶性の補酵素を「コエンザイムQ10」と命名しました。日本では、1975年から心筋梗塞や脳卒中、糖尿病などの治療薬として使用されていましたが、2001年からは食品としても認可されています。
コエンザイムQ10の働きは、大きく分けて2つあります。
1つ目は、「生命維持・活動に必要なエネルギーの生成」です。私たちの身体にある約60兆個の細胞を活性化させるためにエネルギーは欠かせませんが、そもそもこのエネルギーは細胞内のミトコンドリアで作られています。エネルギーは食事から摂取した「栄養素」と呼吸で得た「酸素」を利用し生成されますが、この過程で不可欠な成分がコエンザイムQ10なのです。コエンザイムQ10が不足すると、エネルギー生成量が低下して疲労や倦怠感が出てきます。免疫力が低下するため、風邪を引きやすくなり、肌の調子も悪くなったりとさまざま不調の原因となります。
2つ目は、「抗酸化作用」です。私たちの身体は加齢とともに酸化していきますが、この酸化は「活性酸素」によってもたらされるものです。コエンザイムQ10は、この活性酸素を除去する高い抗酸化作用を持っています。
コエンザイムQ10の効果はさまざまです。まず、先述のエネルギー生成作用により、疲労回復や心臓や関節の保護、改善を促進する効果があると考えられます。また、抗酸化作用により、生活習慣病の予防効果も期待できます。加えてコラーゲンを作り出す皮膚の細胞を活性化させる働きがあることから、肌の老化を防ぐ美肌効果や、骨粗しょう症予防にも役立つと考えられています。
コエンザイムQ10は、私たちの身体の細胞のほとんどに含まれていますが、加齢と共に減少するため、徐々に栄養からエネルギーを作り出すことができなくなってしまいます。さらに、食事から摂取するのも難しいです。たとえば、コエンザイムQ10を1日30mg摂るには、含有量の多いイワシで約6匹、牛肉で約1kgを食べなければなりません。
そこで、オススメなのはサプリメントなどの健康食品で補うことです。普段の食事で補えない摂取量をサポートするために、適量のサプリメントを活用しましょう。
摂取上の注意は、次のことが挙げられます。1日の摂取目安量を守ることと、アレルギーで体質に合わない人は使用を控えること、妊娠・授乳中、小児の使用を避けること、他の薬を服用中の場合は医師に相談すること、などです。使用上の注意点に気をつけて、うまく取り入れてみてください
コエンザイムQ10は、私たちの身体に様々な効果をもたらしてくれます。疲労回復でお悩みの方や、肌を若々しく保ちたい方は、サプリメントや健康食品をうまく活用してみてはいかがでしょうか。