記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/20 記事改定日: 2018/10/31
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
毎年流行する「インフルエンザ」ですが、流行時期とされるのは大体いつからいつまででしょうか?冬以外は、インフルエンザにかかる心配はないのでしょうか?以降で解説します。
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスの感染によってさまざまな症状が出現する病気です。インフルエンザの特徴的な症状は38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などで、これらの症状が比較的急速に現れることが特徴です。また、子供や高齢者など免疫力が低下してる場合には脳症や肺炎といった合併症を引き起こす可能性もあります。
一方、風邪の場合はさまざまなウイルスが原因となって発症します。全身症状もあまり見られず、インフルエンザほどの高熱が出ないということも特徴です。
日本では、毎年秋の終わり頃~春にかけてインフルエンザが流行します。流行する時期はその年によって異なりますが、平均的には11月後半~4月にかけて患者数が増加します。一般的にはまずインフルエンザA型が流行し、温かくなる3月頃からB型が流行します。
しかし、これらは一般的な目安であり、夏にインフルエンザが流行することもあります。流行時期から外れた季節でもインフルエンザを発症する可能性があることを念頭に置き、突然の高熱や咽頭痛がある場合は放置せずに病院を受診するようにしましょう。
インフルエンザと聞くと、冬に流行しているイメージを強く持たれるかと思います。確かに季節性のインフルエンザの流行シーズンは、上記で説明したように空気が乾燥して菌が飛沫しやすい12~3月が日本の流行シーズンで、まれに散発的に4、5月まで流行していることもあります。
一方で新型インフルエンザは夏に流行しており、2009年に流行した新型インフルエンザは春~夏にかけて流行しています。インフルエンザは一概に冬にしかならない病気というわけではないのです。
新型インフルエンザとはいつどこで発症するのかが予測困難なインフルエンザのことです。
インフルエンザは一度かかると、抗体といって身体にインフルエンザの情報が備わるため免疫ができ、同じインフルエンザウイルスにかかることはありません。そのため、毎年流行るインフルエンザである季節性のインフルエンザは、抗原というウイルスに備わっている情報を少しずつ変えることで毎年世界中で流行します。
一方、新型インフルエンザはこの抗原が大きく異なるため、一般に多くの国民は免疫が獲得できていません。このため全国的に急速に蔓延しやすく、重篤化するリスクが高いものが新型インフルエンザと言われます。かかった時の症状は季節性のインフルエンザと同様ですが、吐き気や下痢といった消化器症状が見られることがあります。子供においては肺炎など呼吸器障害を起こしやすいという報告もあります。
日本では、インフルエンザウイルスが活性化しやすい寒く乾燥した冬場にインフルエンザが流行する傾向にあります。
しかし、東南アジアを中心とした海外では季節に関係なく一年中インフルエンザが流行している場合もあります。また、オーストラリアなどの南半球では日本と季節が逆のため、日本では夏に当たる時期にインフルエンザが流行しています。
特に夏は長期休暇で海外旅行をする人も多く、渡航先でインフルエンザに感染してしまうこともあるのです。日本では流行時期でない場合でも、海外旅行をする際にはしっかりと感染対策を行うようにしましょう。
毎年流行する、いわゆるメジャーなインフルエンザは、A型インフルエンザを指している場合が多いです。一方で、インフルエンザにはB型もあります。B型インフルエンザとは毎年流行するA型とは異なり、2年に1度程度の流行であるとされています。高熱も出ず、A型と比べると症状が軽いということも特徴です。
一般的に、A型インフルエンザの流行時期は12~2月、B型の流行時期は2~3月であるため、同時に流行することは少ないとされてきました。しかし、B型の流行時期が早まったりした場合には、A型とB型が同時に流行することもあります。
インフルエンザワクチンは個人差があるものの、効果が現れるまでに約2週間程度かかり、ワクチン接種による免疫の防御に有効なレベルの持続期間はおよそ5ヵ月とされています。そのため、インフルエンザの流行期に合わせて12月上旬に接種を済ませておくと、流行時期にはワクチンの効果が持続してくれることでしょう。
ワクチンを接種することでインフルエンザを予防することができ、症状を最小限抑えてくれますが、100%の効果を確約することはできず、ワクチンを接種したにもかかわらず、インフルエンザになってしまうということもあります。また、インフルエンザワクチンはWHO(世界保健機関)が推奨したウイルス株を参考にして、前シーズンの流行状況などを加味してその年に流行しそうなウイルスを予測して、毎年作られています。そのため、この予想が外れて別の型が流行してしまうとインフルエンザワクチンを接種したにも関わらずインフルエンザに感染することもあります。
インフルエンザはいくつかの種類があり、その型によって流行時期が異なります。いつでもインフルエンザにかかる可能性があると考え、流行時期に合わせたワクチン接種を行うなど、日頃からの予防を続けましょう。
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