記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/19 記事改定日: 2018/10/31
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
パートナーや家族がインフルエンザに感染したとき、もしくは、自分が感染したときに、家族間やパートナーに感染させてしまわないか心配になったことはありませんか。
今回の記事では、インフルエンザの感染経路や発症を予防する方法を詳しくお伝えしていきます。
インフルエンザの感染経路は、「飛沫感染」と「接触感染」の2種類が主にあります。
飛沫感染とは、感染者が咳をしたりくしゃみをしたりするとウイルスが含まれたしぶきが放出され、そのしぶきを吸い込んだ人がインフルエンザに感染してしまうという感染経路です。学校や職場など人が多く集まる場でよく起こる感染経路です。
接触感染とは、例えばインフルエンザウイルスに感染している人がくしゃみや咳を手で覆い、その手でドアノブや電車のつり革を触ったとき、さらにそのドアノブやつり革を健康な人が触り、その手で口や鼻の粘膜を触ってしまうことによって感染するルートです。電車や職場など人が集まるところだけではなく、自宅などでも起こりうる感染経路です。
インフルエンザは、前述したようにインフルエンザウイルスに感染している人の唾液などにウイルスが含まれ、それが自分の粘膜に触れることによって発症します。そのためキスで感染することも考えられます。また、ほかにもインフルエンザウイルスに感染する人と手をつなぐということも感染する原因となり、これらの感染経路は接触感染となります。
インフルエンザに感染しないためにも、インフルエンザ予防を積極的に行いましょう。ここではインフルエンザの予防法をいくつかご紹介します。
インフルエンザの予防において1番簡単で効果的な方法です。
流水でしっかりと手を濡らし、泡立てた石鹸を使用して手の甲や手のひら、指先や指の間、爪の周囲もしっかりと洗います。帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手を洗うことが推奨されます。また、うがいに関しては風邪予防に対する効果は立証されているもののインフルエンザに対する効果は科学的に証明されていません。
免疫力が低下しているとインフルエンザにかかりやすくなる傾向にあります。普段から睡眠や休息をしっかりと取り、バランスの取れた食事を食べるように心がけましょう。
空気が乾燥することによって喉の粘膜の防御機能が低下します。そうするとインフルエンザにもかかりやすくなります。室内は特に乾燥しやすいため、加湿器などを活用し、湿度を50~60%に保てるように心がけましょう。
インフルエンザウイルスを持っていながら症状が出現していないことによりインフルエンザにかかっていることに気づかずに外出しているというような方も、繁華街や人込みにはたくさんいます。そのため、特に免疫力が低下している方は不要不急の場合、繁華街や人込みへの外出は控えましょう。
やむを得ず外出が必要な場合には使い捨ての不織布マスクを使用し短時間の外出を心掛けましょう。
インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することで発症します。インフルエンザウイルスは主に飛沫感染と接触感染によって他者に感染を広げます。
飛沫感染とは、インフルエンザ感染者の咳やくしゃみなどのしぶきの中に含まれるウイルスを他者が吸い込んでしまうことで感染するもので、接触感染とはそのように感染者から排出されたウイルスが付着したものを他者が触って体内に取り込んでしまうことで感染するものです。
このため、インフルエンザは同じ空間で過ごす家族に感染する可能性がありますので適切な感染対策を行う必要があります。家族間での感染を予防するには以下の対策をしっかり行いましょう。
発症した側も、インフルエンザの感染を拡大させないための工夫が必要です。インフルエンザに発症した人は療養する部屋を健康な人とは隔離するようにしましょう。特に高齢者や妊婦、持病のある方など免疫力が低下している人と同室で生活することは避けるようにしましょう。
また、熱が下がった後も2日ほどはインフルエンザウイルスが体内に潜伏していることが考えられるため、なるべく人との接触を避けることが感染を拡大させない方法となります。
そして、インフルエンザに感染した人もマスクを着用し、咳エチケットを心掛けることで感染の拡大を防ぐことが可能です。
インフルエンザの予防接種をすることにより、ある程度の発病を抑える効果および発病をした際の重症化を予防する効果が期待できます。しかし、完全に発病を抑えることは難しいのが現在のインフルエンザワクチンの現状です。
ヒトを対象にしたインフルエンザワクチンの有用性の研究結果を見ると、6歳未満の小児を対象とした2015/16シーズンの研究では、発病防止に対するインフルエンザワクチンの有効率はおよそ6割と報告されています。また、乳幼児においては重症化を予防する効果も報告されています。
インフルエンザは飛沫、接触にて感染するためキスでも感染します。これらの感染経路を絶ち、手洗いやマスクの着用など日常生活でできることから、インフルエンザワクチンの予防接種などの医療的な予防法も活用し、インフルエンザを予防していきましょう。
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