マッサージより効果的かも?詳しく知りたい!鍼治療

2017/1/12

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

鍼治療は古代中国医学に由来する治療法です。治療または予防目的のために、細い針を身体の特定の部位に刺します。
この記事では、日ごろの小さな痛みや疲れをとり軽やかな体を手に入れることができる可能性がある鍼治療について、施術法や効果をご紹介します。

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鍼治療の根源は「信念」!?

伝統的な鍼治療は、エネルギー、すなわち「生命力」が経絡と呼ばれる体内の道を流れるという信念に基づいています。この生命力は「気」と呼ばれています。
鍼灸について伝統的な信念を守っている医者は、気が体内を自由に流れないと病気を引き起こす可能性があると信じています。また、鍼灸が気の流れを回復させ、健康を改善するとも考えています。

鍼治療の効果

鍼治療は、骨や筋肉の他の筋骨格系症状や痛みの治療によく使用されます。
また、以下の症状に効果的といわれています。
・頸部痛などの慢性疼痛
・関節痛
・歯の痛み
・術後痛
しかし、他の治療法と比較して、有効性に関して明確な結論を導き出す良質な証拠はあまりありません。

鍼灸はどのように行われるの?

最初の治療は通常20~40分間で、一般的な健康状態、病歴の評価、健康診断を行ってから、鍼灸治療を行います。
最大10回にわたって治療に通うことになる人もいますが、必要な回数は人により異なります。
針は、経穴と呼ばれる身体の特定の場所に挿入されます。
治療中は、座ったり横たわったりするように指示され、医者が身体の特定の部位に針を挿入できるように服を脱ぐように言うこともあります。
使用される針は細く、通常は数センチの長さです。針は使い捨てで使用後に処分され、事前に滅菌されています。
医者は、患者の状態に基づいて針を挿入するポイントを選択します。通常の治療では、1回あたり最大12箇所に針を挿入し、症状の数に応じてさらに多くの箇所に針を挿入することもあります。
針は皮下に挿入しても、筋肉組織に達するよう深く挿入しても良く、針がいったん定位置に置かれると、数分から約30分間そのまま放置されます。
針が挿入されると刺痛や鈍い痛みを感じることがありますが、激しい痛みではありません。 もし激しい痛みを感じたら、施術者にすぐに知らせましょう。
場合によって、医者は針を回転させたり、軽い電流で刺激します。

鍼灸を受ける際の注意点

有資格の医者によって行われる場合、鍼治療は一般的に非常に安全です。
なお、一部の人には以下のような軽度で短期間の副作用があります。
・針を挿入した場所の痛み
・針を挿入した場所の出血や内出血
・眠気
・気分が悪くなる
・めまいがする
・既存の症状の悪化
血友病などの出血性疾患がある場合、または抗凝固剤を服用している場合は、鍼治療を受ける前にかかりつけ医に相談してください。
金属アレルギーや針が挿入される可能性のある箇所に感染症がある場合は、鍼治療は勧められません。
妊娠中に鍼治療を受けるのは一般的に安全です。しかし、妊娠中は針の挿入を避けたほうがよい箇所があるため、鍼灸医に妊娠していることを知らせるようにしましょう。

おわりに

鍼灸治療は、日ごろの疲れや痛みに効果的なケースがあります。
マッサージや整体に定期的に通っている方や鍼治療に興味を持っている方は、施術者となる医者の選定をしっかり行ったうえ、実施してみると良いかもしれないですね。

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