記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
ADHDの人が学校や職場にいる場合、どのように接すれば良いのでしょうか?サポートできることはしてあげたいけれど、何をすればいいのかわからないという方もいるでしょう。ADHDの対応について大人・子供に分けて解説します。
ADHDの人が、仕事上でミスやトラブルを引き起こしてしまう事があるかもしれませんが、ミスをしたときには強く批判するのではなく、次はどのようにすれば良いのか具体的にアドバイスしましょう。
ADHDの人は、その特性により苦手な分野があります。そして苦手分野をどんなに努力をしても、あまり改善が期待できないので、無理に強要せず周囲の人でサポートしてあげましょう。
ADHDの子供に対しては、以下のことに気をつけながら接してあげましょう。
予定ややるべきことがある場合には、支持を短く具体的に伝えるようにしましょう。やるべきことを一つずつ取り組めるようにすることが大切です。また、何か注意をする際には、感情的に怒るのではなく、「指を切ったら危ないからハサミを机に置いて」「転ぶと危ないからゆっくり降りてきて」などわかりやすく具体的に言うようにしましょう。
ADHDの子供は、言葉や文字だけよりも視覚的な情報の方が理解しやすい傾向があります。そのため、伝えづらいことがある場合などには、絵やイラストを使うことにより、コミュニケーションが取りやすくなります。
学習場所などには、テレビやおもちゃなどの不要なものを置かないようにして、周囲からの視覚情報を極力減らすようにしましょう。
本人が実行可能そうなルールや目標を設置して、達成できたときにご褒美をあげる、ご褒美制度も効果的です。「目標を立てて実行する」という、やる気や達成感を養うことができます。また、慣れてきたら少しずつ、我慢をする時間や頑張れることを増やしていきましょう。
良いことをしたり、何かを達成した時には、出来るだけ褒めるようにしましょう。褒めることにより行動の善し悪しがわかるようになり、また達成感や自己肯定感を感じることができます。また、褒める際には、子供と目線を合わせて喜びをストレートに現すようにしましょう。
大人の場合でも、子供の場合でも、ADHDの人が起こしてしまうミスやトラブルは悪気があってやっているわけではありません。ADHDの特性により起こってしまう場合が多くあります。しかし、その特性を正しく理解し、本人と相談をすることで周囲がサポートすることができるので、まずはADHDへの正しい知識と理解を深めることが大切です。