記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
さまざまな要因で起こるとされる不整脈ですが、薬の副作用で発症することはあるのでしょうか?またどんな薬が原因となるのでしょうか?
薬と不整脈の関係性について解説していきます。
飲み薬であっても、注射であっても、消化管や血液中に入った薬剤は全身を循環します。
そのため、薬剤の種類は問わず、必ず心臓にも何らかの影響を与えることになります。
基本的には、心臓疾患に対する薬剤以外はあまり気にかける必要はないのですが、薬剤の過剰摂取や他の薬との飲み合わせなどにより、予期せぬ副作用が生じる可能性があります。
また、降圧薬や抗うつ剤の一部には、心臓の電気の発生に関わる成分が含まれている可能性があるので、注意する必要があるでしょう。
催不整脈作用とは、薬剤(薬の種類は問わない)の投与により既にある不整脈が悪化した場合、または新たな不整脈が起こる作用のことをいいます。
催不整脈を引き起こす薬には、以下のものがあります。
抗不整脈薬を過剰投与などをした場合、血中濃度が上昇し、催不整脈作用を引き起こす可能性があります。
心電図にQT時間延長の変化が現れた場合は、薬剤の投与量を減らすなどの対策をして、催不整脈を予防する必要があります。
心臓病とは関係のない、抗不整脈薬以外の薬の中には、他の薬との飲み合わせにより心電図に影響を及ぼすものもあります。
飲み合わせが心配な人は、薬を処方された際に担当医に確認してみましょう。
不整脈により心臓の血液を送り出す働きが低下すると、脱力、運動能力低下、息切れ、ふらつき、めまい、失神などの症状が起こります。特に、失神は心臓から送り出される血液量が減少することにより血圧が低下するので、原因となる不整脈を早急に治療することが必要です。
脈拍数が増加するため、動悸が発生します。動悸が激しくなると、めまい、冷や汗、吐き気などが起こり、重症の場合だと意識を失うこともあります。
脈が遅くなると、体を動かすのことがしんどくなり、激しい息切れを起こすことがあります。
あまり大きな症状はないのですが、場合によっては胸の不快感や胸痛が起こることがあります。
薬の副作用によって不整脈が生じている場合は、服用している薬に不整脈を生じるタイプのものがあるか把握するのはもちろんのこと、まずは不整脈を自覚することが大切です。
これらの症状が見られる場合は、不整脈を発症している可能性がありますので、なるべく早めに病院に相談しましょう。
また、薬には飲み合わせによって思わぬ副作用を生じるものがあります。病院で薬を処方された際は、今現在常用している薬との飲み合わせについて必ず確認するようにしてください。
抗不整脈薬の副作用や、その他の薬でも過剰摂取や飲み合わせによっては副作用として、不整脈が起こる場合があります。
また、催不整脈作用で新たな不整脈が起こる可能性もあります。そのため、抗不整脈薬や薬を複数服用する場合は、副作用について事前に医師や薬剤師に確認をするようにしましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。