記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/21 記事改定日: 2020/5/27
記事改定回数:2回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
副鼻腔炎の症状があったとき、病院に行く時間がないなどの理由から、市販薬を購入することがあるでしょうが、副鼻腔炎に効果のある市販薬にはどのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、副鼻腔炎の市販薬について解説します。
市販薬の中には、副鼻腔炎に効果があると記載されているものがありますが、市販薬のみで副鼻腔炎の治療をすることはあまり推奨できません。
副鼻腔炎は状態にあわせた治療が必要であり、症状を確認するために鼻の中を直接検査する必要があります。
市販薬はあくまでも一時的な対処として使うようにし、副鼻腔炎の症状があるときには市販薬を使用する前に一度耳鼻科を受診しましょう。
副鼻腔炎を発症すると、強い鼻づまりやドロドロとした膿のような鼻水が生じるようになります。また、症状の現れ方は人によって異なりますが、顔の痛み、頭痛、頭重感などが引き起こされ、集中力や注意力が散漫になるといった症状が現れることもあります。
副鼻腔による痛みは周囲に放散することもあるため、歯の痛みや耳の痛みが現れることもあります。「虫歯」による痛みと思い歯科医院を受診したところ、副鼻腔炎だった…ということもめずらしくありません。
副鼻腔炎は慢性化すると、夜間など横になったときにのどの奥に鼻水が流れ、咳が出るようになります。長期間に渡ってそのような症状が続くと、気管支に慢性的な刺激が加わることで、喘息を引き起こすこともあります。
副鼻腔炎の症状をおさえる効果が期待できる市販薬には、点鼻薬・飲み薬・抗アレルギー薬があります。
市販の点鼻薬には、「ステロイドを含むもの」と「血管収縮剤を含むもの」の2種類があります。中でも血管収縮剤の効果には即効性があるため、規定の使用回数を超えて使用してしまう人が多いのですが、この薬剤は過剰に使用すると逆に鼻を詰まりやすくしてしまう作用があるため注意が必要です。
そのような状態になると、その後の治療にも影響が及ぶ可能性があるため、使用する際には事前に医師や薬剤師に相談しましょう。
市販の飲み薬の中には、副鼻腔炎の症状を改善する効果があるものもあります。
代表的なものでは、鼻詰まりや炎症を改善する作用がある漢方薬の成分が含まれたチクナイン®やフジビトール®、ベルエムピK®などが挙げられます。また、漢方薬では、鼻づまりを改善する辛夷清肺湯や鼻粘膜の腫れを抑える葛根湯加川きゅう辛夷なども市販されていますのでお勧めです。
ただし、これらの飲み薬は一時的に症状が改善しても、根本的に副鼻腔炎を治すことにはつながらないため、漫然と使用せずに症状が続く場合や再発しやすい場合には、必ず病院を受診して医師から治療に適した薬を処方してもらうようにしましょう。
アレルギーが原因の慢性副鼻腔炎の場合は、抗アレルギー薬を使用することで鼻詰まりを解消し、症状を改善できる可能性があります。
ただし、副鼻腔炎が病原体など他の原因によるもの場合、抗アレルギー薬を使用しても効果が得られません。
鼻詰まりなどの症状が起こっている原因の特定は自己判断できません。必ず耳鼻科を受診して原因を特定してもらいましょう。
市販の漢方薬の中には、鼻炎を抑えて鼻通りをよくする効果や膿を減らす効果があるものがあります。
また、副鼻腔炎の主な症状である、粘稠性鼻炎、鼻詰まり、鼻汁、後鼻漏などに効果のある生薬に、以下のようなものがあります。
漢方薬はその人の体質に合わないものも多くあるため、購入する際には薬剤師に相談するか、専門医に処方してもらうことをおすすめします。また、原因になる病原体によっては市販薬だけでは対応できない場合があるので、症状がある場合はまず最初に耳鼻科で診てもらいましょう。
副鼻腔炎の症状を緩和するため、次のようなセルフケアが役立つこともあります。
副鼻腔炎の市販薬にはさまざまなタイプがありますが、基本的には市販薬の使用は控えることが推奨されます。
副鼻腔炎は根本的な原因となる病原体を治療しなければ、いくら症状を抑えても意味がありません。症状がある場合は耳鼻科を受診し、原因にあわせた治療をしてもらいましょう。
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