記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/24 記事改定日: 2019/1/11
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
不整脈の原因には、病気や薬の影響など様々なものがありますが、ストレスが原因になるということをご存知でしょうか。
この記事では、ストレスによる不整脈について解説しています。ストレスによる不整脈は、何度も繰り返し進行する悪循環に陥る可能性もあるのです。対処のコツについても触れているので参考にしてください。
「不整脈」とは、心臓の動きをコントロールする電気刺激が乱れ、脈の打ち方がおかしくなる状態のことです。
原因としては、まず遺伝や体質、加齢などによるものがあげられますが、このような避けられない原因のほかに、睡眠不足や過度の飲酒、喫煙、カフェインのとり過ぎといった生活習慣も原因となることが知られています。
「ストレス」も原因のひとつで、不幸や悲しみ、怒り、焦り、心配、不安といったネガティブな感情が不整脈を起こしやすくさせる要因になる可能性があると考えられています。なお、幸福や喜び、笑いといったポジティブな感情は、不整脈を起こしにくくさせる可能性があるという説もあります。
そのほか、狭心症や心筋梗塞、心筋症、心臓弁膜症、心不全など心臓の病気や、高血圧、甲状腺異常、肺疾患などの病気と関係して起こったり、薬の副作用で起こることもあります。
不整脈には、脈の乱れ方によって、心拍数が50回/分未満の遅い不整脈(徐脈)、100回/分以上の速い不整脈(頻脈)、脈が飛ぶ単発の不整脈(期外収縮)などがあります。
「期外収縮」は、もっともよくみられる不整脈で、「単発で一回完結」が特徴です。数秒から数時間の間隔をおいて、何度も繰り返すことがよくありますが、危険性は少なく比較的安心してよいものとされています。
期外収縮が起こるきっかけとしてもっとも多いのが、さまざまなトラブルや精神的プレッシャーなどによるストレスです。
さらに、ストレスが強いときに起こった期外収縮の不快な感覚の記憶が、再発の不安となって症状を進行させることがあるといわれています。これは不快感そのものが大きな新たなストレスとなり、今度はその不快感、恐怖感、不安感が誘因となって期外収縮が多発し、症状が悪化するような状態を引き起こしてしまうこともあるのです。
期外収縮は、ストレスを溜めないことが予防策となります。心配のない不整脈であることを思い起こし不安感や恐怖感を募らせてしまっては悪化が進むばかりです。気にせずに過ごすようにすれば、そのうちに不整脈が出なくなり、不整脈があったことすら忘れてしまうこともあるでしょう。
どうしても気にしてしまう場合は、医師が抗不安薬や不整脈を抑える軽い薬を処方することもあります。ただしこれは、無害な不整脈であることが確かめられた場合です。数は多くはありませんが、心筋梗塞や心筋症などの病気が関係している場合や、危険な不整脈に移行する場合もあります。
期外収縮があると言われたら、原因となっている病気がないか、また危険なものに移行する可能性がないかを、一度は専門医に調べてもらうようにしましょう。
不整脈のなかにはストレスが原因となるものがあり、これらの動悸は炙甘草湯や当帰芍薬散、五苓散などの漢方薬で改善することがあります。また、漢方薬の成分が含まれた救心®や牛黄カプセル®などの市販薬もあるので、手軽に購入することが可能です。
ストレスからくる不整脈に悩んでいる人は、これらの漢方薬を試してみるのも一つの方法といえるでしょう。
しかし、不整脈には適切な治療を続けなければ思わぬ合併症や突然死を引き起こす危険のあるものがあり、症状だけでは危険な不整脈か特に心配のない不整脈かを区別することはできません。
このため、不整脈に悩んでいる人は、まず病院を受診して検査を受け、どのような治療が必要なのか、または治療が必要でないのかを判断してもらいましょう。
さらに、漢方薬は薬の飲み合わせによっては高血圧などの副作用を招くことがあります。服用を開始する際には必ず医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
ストレスは、不整脈の原因のひとつです。特に、もっとも多い不整脈「期外収縮」の第一の原因はストレスとされ、この場合期外収縮からくるストレスがさらに症状を多発させるという悪循環を起こす場合もあります。
不整脈は無害な場合がほとんどですが、病気が原因となっているものもあるので、医師に相談してきちんと確認するようにしましょう。
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