花粉症で眠気が出るのは薬のせいだけじゃない!?対処法はあるの?

2018/6/18 記事改定日: 2019/2/17
記事改定回数:1回

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

「花粉症の薬を飲みたいけど、眠くなって仕事や生活に支障をきたしそうで我慢している」という方は多いのではないでしょうか。
でも実は、花粉症のときに眠くなるのは薬のせいだけではなかったのです。今回は、花粉症のときに眠くなる理由と対処法、眠気と薬の関係について解説していきます。

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花粉症の眠気は薬のせいとは限らない!

花粉症のときに眠くなってしまうのは薬のせいだけではなく、代表的なアレルギー反応そのものや代表的症状であるくしゃみ、鼻水、鼻づまりが原因であることが多いといわれています。

アレルギー反応そのものによる眠気とは、花粉に反応して放出される抗体や、炎症性メディエーターと呼ばれる物質によるものだと考えられています。例えばインターロイキン、ロイコトリエンなどの炎症性メディエーターはアレルゲンを排除するために体温を上昇させ、眠気を誘発する働きを持っています。

また、鼻水や鼻づまりによって睡眠中に呼吸困難や睡眠時無呼吸の状態に陥り、その結果睡眠不足になり、花粉シーズンに慢性的に眠い状態が続くということも考えられるでしょう。

花粉症による睡眠不足の眠気、どう対処すればいい?

花粉症による睡眠不足を解消するには、鼻詰まりや鼻水、くしゃみなど良質な睡眠を妨げる症状を改善することが大切です。そのためにも、夜間の症状が強い場合は早めに病院を受診して治療を受けるようにしましょう。
また、日常生活では、夜間は窓を開けない、空気清浄機を使用する、室内を加湿する、外出時には眼鏡やマスクを着用する、外出後は速やかに着替えて入浴して衣類を洗濯する、洗濯物は室内に干すなど、花粉の吸いこみを最小限に抑える対策が有用です。

眠くなる花粉症の薬と眠くならない花粉症の薬あるのはなぜ?

従来、花粉症薬として主に使われていた「抗ヒスタミン薬」は、有効成分が血液から脳に働きかけ、そこから鼻水や鼻づまり症状を抑えるという仕組みの薬です。
この抗ヒスタミン薬は、脳に到達した段階で脳内の神経伝達物質の働きを阻害してしまうため、集中力や判断力の低下、そして強烈な眠気を誘因することがあります。

しかし、上記のような「第一世代」と呼ばれる抗ヒスタミン薬に代わって、近年では「第二世代」と呼ばれる、脳を経由せずに直接鼻の症状に作用する抗ヒスタミン薬が出てきました。第二世代の抗ヒスタミン薬は「眠くなりにくい花粉症薬」として、病院はもちろん、市販薬としても購入できるようになっています。

この通り、近年では花粉症薬の選択肢も広がってきています。眠気を恐れて辛い症状を我慢するよりも、医師や薬剤師に相談したうえで、眠くなりにくい第二世代の抗ヒスタミン薬を試してみるのも良いでしょう。

おわりに:花粉症で眠くなるのは薬のせいだけじゃない!自分に合う薬をみつけよう

花粉症のときに眠くなってしまうのは薬のせいだけでなく、花粉症そのものの症状や、鼻づまりのために慢性的な睡眠不足になることも大きな要因です。また、かつては眠くなりやすい性質だった花粉症薬も、近年では眠くなりにくいものも登場するようになりました。

花粉症による鼻づまりなどの症状が辛いときは我慢せずに、眠くなるのが辛いということも医師や薬剤師に相談しながら、自分に合う花粉症薬をみつけてくださいね。

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