記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/8/7
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
一度発症したことのあるうつ病を再発させてしまった場合、仕事は退職すべきなのでしょうか?それとも休職のほうがいいのでしょうか?うつ病の再発を防ぐために心がけたいポイントと併せてお伝えしていきます。
うつ病が再発したら仕事をどうしていけばいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。
結論からいえば、うつ病を再発した場合は仕事を退職するよりも休職する方がお勧めです。なぜなら、退職するともう職場に復帰することはできませんが、休職であれば復帰が可能だからです。そのため、うつ病が治った後に新しい仕事を探したり、新しい環境になじむという精神的な負荷を抱えることがありません。
ひとまず主治医の指示に基づいて1~3か月ほど休息して、状態を見ながら少しずつ復帰していくというのがうつ再発における働き方のモデルケースとなります。
また、うつ病における休職に対しては行政が復職支援を積極的に行っており、復職がしやすいということもポイントとなります。
【 厚生労働省ホームページを編集して作成 】
うつ病の再発で仕事を休職する場合には、身体をしっかりと休める期間と復職に向けた準備をする段階という2段階に分けて設計することが推奨されます。
身体をしっかりと休める期間はうつ病の治療において重要であり、身体の不調と同様に身体を休め、たっぷりと睡眠をとることで心の回復につなげていきます。少しずつ回復して来たら外出をするなどして行動範囲を広げ日常生活を少しずつ送れるようにしていきましょう。
そして、日常生活が送れるようになったら次は復職に向けた準備の段階です。
復職に向けた準備とは、生活リズムを休職前と同様に戻していくことをいいます。仕事をしているときと同じ時間に起床するように睡眠からリズムをつけていきます。睡眠のリズムが整ったら出勤時間と同様の時間に最寄り駅まで歩いたり、実際の業務時間を図書館などで過ごすようにしていきましょう。
自分自身でこのような生活をすることが難しければ、職場復帰を支援するリワーク施設もあるため、活用するのも良いでしょう。
うつ病を繰り返さないために気をつけたいことは、調子が少しでも良くなったからといって焦って復職をしないということです。焦って職場復帰をしてしまうと負担がかえってかかってしまい、結果としてうつ病を再発してしまう可能性があります。そのため、自分の判断で職場復帰を急ぐのではなく、必ず主治医の指示に従うことが必要です。
特に、職場の上司などから期待される言葉をかけられるとついつい復職を急いでしまう方も多くいますが、自分の判断、周囲の意見に流されず、主治医と常に相談して少しずつ復職をすすめていきましょう。
【 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト『こころの耳』を編集して作成 】
うつ病が再発したときに仕事を辞めようと考える方もいますが、辞めるよりも休職という手段を選んだ方が状態が安定した後のことを考えると良い選択肢です。まずは休職して心と体をゆっくりと休ませ、状態が回復して来たら少しずつ復職に向けて生活リズムを整えていきましょう。
また、休職であれば行政から復職に向けた支援を受けられるため、それを活用しても良いでしょう。復帰については自己判断せずに必ず主治医の意見に従い、段階を踏んだ行動をとっていってください。
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