いぼ痔になるとみられる症状ってどんなもの?何科で診てもらえる?

2018/9/8

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

痔の一種「いぼ痔」が発生した場合、どんな症状が特徴として現れるのでしょうか。また、いぼ痔が疑われる場合は、何科を受診すればいいのでしょうか。それぞれ解説していきます。

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いぼ痔ってどんなもの?

いぼ痔とは、肛門周囲にいぼができるタイプの痔です。皮膚と粘膜の境目より内側にできるものを「内痔核」、外側にできるものを「外痔核」と呼びます。

内痔核は悪化すると肛門の外に飛び出した状態になることがあります。これを脱肛といい、痛みも強く出血などが見られます。特に、急激に脱肛になりひどく腫れて戻らない嵌頓(かんとん)痔核になると、その痛みは強烈なものになるでしょう。

いぼ痔は、便秘や食生活、行動パターンなどの生活習慣によって引き起こされます。また、女性は妊娠時に悪化しやすくなります。

いぼ痔ができると出てくる症状って?

いぼ痔の症状は、内痔核か外痔核かによって違います。
内痔核は、痛みはほとんどありません。排便時の出血や肛門から脱出して初めて気が付くことが多いでしょう。また、大腸の検査で偶然見つけられることもあります。
内痔核が進行すると、はじめのうちは自然に戻っていた痔が指で押さないと戻らなくなり、最終的には押しても肛門内に戻らず出っ放しの状態となります。また、痔が大きく腫れてくると、痛みも出てきます。

外痔核の場合、出血は少ないものの腫れて痛みが出やすいでしょう。特に、急激に腫れ上がったときには強い痛みが出ます。
内痔核とともにゆっくり大きくなった場合、痛みは軽く破れにくいため出血することはめったにありません。ただし、血栓性外痔核がパンパンに張れてしまうと破れて出血することがあります。腫れが引いても元通りにならず、皮がたるむ皮垂(ひすい)という状態を引き起こすこともあるでしょう。

いぼ痔ができたら何科に行けばいいの?

いぼ痔の治療は、肛門科や肛門外科が専門です。近くに肛門科がない場合には、外科もしくは消化器外科を受診しましょう。また、かかりつけ医にまずは相談するのも良い方法です。

最近は女性が来院しやすいクリニックもあります。診察時に女性看護師が必ずついてくれたり、女性医師がいる病院も増えてきています。肛門科以外の科も併設することで、痔で来院したのがほかの人にわからないような工夫をしているところもあります。恥ずかしくて来院に不安を抱えている場合には、女性でも来院しやすいクリニックを検索してみるとよいでしょう。

いぼ痔ってどうしてできるの?

いぼ痔の原因には生活習慣が大きく影響します。
まず、原因としてよくいわれるのが「便秘・下痢」です。便秘だと排便時にいきんで肛門付近に圧力がかかるため、いぼ痔になりやすいです。また、便は硬くても下痢でも肛門に圧力がかかるので、いぼ痔の原因になります。

次に、女性のいぼ痔の原因として知られるのが「妊娠・出産」です。妊娠中はホルモンのバランスが変化して便秘になりがちです。また、子宮が大きくなって腹部を圧迫するため、直腸付近の血管にも圧力がかかります。出産時のいきみもいぼ痔の原因といわれています。

デスクワークや長距離運転が続く人もいぼ痔になる可能性があります。なぜなら、長い時間座り続けると肛門付近の血管が持続的に圧迫されるからです。また、座ったまま腹部に力を入れる楽器の演奏者もいぼ痔になりやすいといえるでしょう。

香辛料の過剰摂取にも注意が必要です。香辛料は多く取りすぎると腸の粘膜を刺激することがあります。胃腸の刺激は下痢の原因となり、いぼ痔にもなりやすいため、香辛料は摂りすぎないようにしましょう。

おわりに:肛門付近の違和感はいぼ痔のサインかも。早めに肛門科へ

いぼ痔になって最初に感じるのは、肛門周囲の違和感です。しかし、恥ずかしいとの思いから、なかなか受診せず悪化してしまう人が多いですが、いぼ痔は早くから治療を行えば痛みも少なく早く治すことができます。肛門付近に違和感があるときは、早めに肛門科を受診し早期治療に繋げてください。

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