記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/3
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
排便時の出血や痛みを伴い、進行すると日常生活にも支障をきたすいぼ痔。
治療するには手術が必要なイメージがありますが、どんな方法で行うのでしょう?
今回はいぼ痔の手術治療について、手術にかかる時間や具体的な手順をはじめ、入院の必要性、手術以外の治療の選択肢についてもご紹介します。
近年の手術技術の向上に伴い、いぼ痔の手術自体は5~30分程度で済むことがほとんどとなり、日帰り手術で治療できるケースも増えてきています。
ただし、すべてのいぼ痔手術が日帰りで行えるというわけではありません。
例えば、肛門の外側にいぼができる外痔核(がいじかく)の場合は、日帰り手術が可能です。
一方で、肛門内部にイボができる内痔核(ないじかく)を1度に複数切除するケースなどでは、10日程度の入院が必要になることもあります。
いぼ痔を日帰り手術で治療できるかどうかは、いぼ痔の種類や症状の進行度合いによっても変わってくる、と理解しておきましょう。
一般的に、いぼ痔の手術は結紮切除術(けっさつせつじょじゅつ)で行われます。
以下からは、結紮切除術でいぼ痔を治療する場合の具体的な手順を見ていきましょう。
切除する痔核の数や場所、医師の能力によっても異なりますが、一般的な手術時間は15分ほどで、手術に使った糸は自然に溶けるので抜糸の必要もありません。
いぼ痔を手術せずに治療する方法としては、ジオン注射が挙げられます。
ジオン注射は、使用する薬剤「アルミニウムカリウムタンニン酸」の頭文字をとってALTAとも呼ばれ、日本では2005年からいぼ痔治療に使われています。
主に注射しても痛みを感じない内痔核に対して行われ、1つの痔核に4回・4か所に分けて薬剤を注入して、浸透させていきます。
ジオン注射は痔核の血流を阻害し、痔核を硬く縮小していくことでいぼ痔を治療する方法で、その効果は半永久的に持続するとされています。また手術よりも身体的負担が少ないため、近年ではいぼ痔治療の選択肢として積極的に紹介されている他、手術との併用も行われている治療法です。
ジオン注射と手術、どちらによる治療がふさわしいかは医師の判断によって決定されますが、こういった治療法もあるということは、知っておいて損はないでしょう。
いぼ痔の手術は、いぼにあたる痔核を糸で結んで血流を阻害してから切除する「結紮切除術」で行われるのが一般的です。手術は局所麻酔、または下半身麻酔で15分ほどで行われますが、切除する痔核の大きさ・数・位置によっては、入院が必要になるケースもあります。また、病状によっては手術ではなくジオン注射で治療できるケースも見られます。詳しくは医師の診断を受けたうえで、相談してみてください。
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