記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
何らかの原因で脳への血流が一時的にストップし、さまざまな症状が現れる状態を一過性脳虚血発作(いっかせいのうきょけつほっさ)といいます。
今回は一過性脳虚血発作について、その症状や特徴、原因、病院を受診する必要性まで、わかりやすく解説していきます。
TIAとも呼ばれる一過性脳虚血発作は、何らかの理由で脳が貧血のような状態(虚血)となり、血流が滞ることで一時的に神経症状を起こす病気です。
一過性脳虚血発作の代表的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
上記に挙げた一過性脳虚血発作の代表的な症状は、脳とその近辺の血管に血栓が詰まることで起こる脳梗塞とほとんど同じです。
ただし、一過性脳虚血発作の虚血の原因が血栓による詰まり(梗塞)とは限らないこと、また症状が一時的ですぐに治まることから、脳梗塞とは区別されています。
しかし一方で、一過性脳虚血発作を起こした人のうち1割程度が2日~3か月以内に脳梗塞を発症しているため、脳梗塞との強い関連性は指摘されています。
一過性脳虚血発作の原因としては、以下の3パターンが考えられます。
上記のうち、血栓が詰まるものは脳梗塞と同じ原理で発生するものですが、短時間で自然に血栓が解けて症状が改善するものを一過性脳虚血発作と診断します。
先に述べたように、一過性脳虚血発作を発症した人のうち1~2割は、2日~3か月以内に脳梗塞を発症するといわれています。
一過性脳虚血発作は、別名を脳梗塞の「前触れ発作」「警告発作」とも呼ばれるほど、病院で医師による診断・治療を受けるべき緊急疾患なのです。
運動や感覚・言語障害などの特徴的な症状が出たなら、たとえ30分~1時間以内の間に収束しても決して安心せず、すぐに病院を受診してください。
一過性脳虚血発作の段階で適切な診断・治療を受けることが、将来の重篤な脳梗塞の予防につながると覚えておきましょう。
一過性脳虚血発作の代表的な症状は、言語障害や歩行・運動障害、半身麻痺、一時的な失明など、脳梗塞とほとんど同じです。発症してもすぐに回復するため軽視されがちですが、脳梗塞の前触れといわれるほど脳梗塞との関連性が高い病気です。もし、一時的にでも特徴的な症状を感じたら、すぐに病院で診察を受ける必要があります。この段階での治療が脳梗塞の予防にもつながりますので、しっかり覚えておいてください。
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