記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/25 記事改定日: 2019/7/5
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「隠れ糖尿病」という言葉を聞いたことはありませんか?「隠れ」という名のとおり、健康診断ではわからないこともある糖尿病の一種なのですが、具体的にはどんな特徴やリスクがあるのでしょうか。以降で解説していきます。
隠れ糖尿病とは、食後の血糖値は糖尿病と同等のレベルにまで上昇するにも関わらず、空腹時の血糖値を測る健診などのスクリーニング検査では捉えられない糖尿病のことをいいます。
通常の場合食後2時間後血糖値は140mg/dl未満であるのに対して、隠れ糖尿病の人は140mg/dl 以上が持続します。糖尿病の疑いがある人を調査すると食後のみ血糖値が上昇する人が全体の約40%もいることが分かりました。
隠れ糖尿病は放っておくと気づかないうちに症状がどんどん進行し、「食後高血糖」という食後に血糖値が上がるものの空腹時の血糖値は正常な状態のことが多くなります。
食後高血糖も糖尿病と同じように、心筋梗塞などの心血管病の発症リスクが高まるので注意が必要です。
隠れ糖尿病であるかどうかは血液検査でなければ調べられませんが、以下のような兆候があるときは血糖値が高い状態が続いている可能性があります。
当てはまるものが多い人は、念のため医療機関でチェックしてもらいましょう。
また、家族や血縁者に糖尿病患者がいる、20代前半よりも太った、という人は糖尿病になるリスクも非常に高い人なので、日ごろから意識しておくと良いでしょう。
隠れ糖尿病を防ぐには食事面・運動面・生活習慣の面で次のようなことを心がけましょう。
糖尿病の重大な発症因子の一つは肥満です。肥満を予防するためにも、日頃から適正カロリーを守ったバランスよい食事を心がけるようにしましょう。
また、炭水化物の過剰摂取は血糖値の上昇につながりますが、極端に制限すると血糖値の乱高下を引き起こすことがありますので適度な摂取も大切です。具体的には摂取カロリーの50%ほどは炭水化物から摂取し、脂質は全体の20%ほどにするとよいでしょう。
運動は肥満を抑制し、ブドウ糖の消費を促すことにもつながるため糖尿病の予防・改善効果があります。隠れ糖尿病を防ぐためにも適度な運動習慣を身に付けましょう。
運動は、ウォーキングやジョギングなどのような適度に心拍数が上がる有酸素運動がおすすめです。できるだけ毎日続けることが大切なので、無理のない範囲から始めてみましょう。
糖尿病は不適切な食生活や運動不足などの他にも、ストレスや喫煙などの生活習慣によって発症しやすくなります。隠れ糖尿病を防ぐためにも十分な休息や睡眠を確保してストレスが溜まりにくい生活を心がけ、喫煙習慣がある人は禁煙を目指しましょう。
また、年に一度は健康診断を受けて自身の健康を管理していくようにしてください。
隠れ糖尿病は食後の血糖値が通常よりも上昇してしまう状態で、放っておくと糖尿病へ移行する可能性が高くなります。遺伝的な要素に加えて肥満や運動不足、食べすぎなどが原因となります。
そのため、食事は食べ過ぎないようによく噛んでゆっくりと食べ、食後30分から1時間以内に運動することを心掛けて隠れ糖尿病を予防しましょう。
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