記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/9/30
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
普段から胃に圧迫感を感じていたり、げっぷやしゃっくりなどがよく出たりするのに、検査をしても異常は見つからない――という場合、「呑気症」という病気が考えられます。今回はこの呑気症について、原因や症状の特徴、治療法を解説していきます。
呑気症とは、無意識に多量の空気を飲んでしまったことで胃や食道、腸に空気がたまり、頻回にげっぷやしゃっくり、おならが出てしまう状態のことをいいます。
普段、私たちは飲んだり食べたりするときに少量の空気を飲み込んでいます。ところが、呑気症の人は飲食以外でも多くの空気を飲み込んでしまっているのです。
例えば、緊張状態にあるときや不安なときなど、ストレスが多くかかる場面では、吐き出した空気以上に飲み込んでしまいます。ストレスがかかる状態が長引けば長引くほど、空気を飲む量も増えてしまい呑気症になりやすいでしょう。
呑気症の原因は、多量の空気を飲み込んでしまうことといわれています。人が1回に飲み込む空気の量は3~5cc程度ですが、頻繁に飲み込んでしまうと胃や腸に空気が溜まり、呑気症を引き起こしてしまいます。ところが、検査をしても空気が原因なので他の異常は見つからず、ガスを減らす薬や整腸剤などを服用しても、空気を飲み込む量が変わらないので効果がありません。
空気を多く呑み込む原因のひとつに、「噛みしめ」があります。歯を噛みしめると唾液の分泌が促進されるため、唾を飲み込む回数が増えます。このとき一緒に空気を飲み込んでしまうため、噛みしめる癖がある人ほど呑気症になりやすいといえるでしょう。
特に、スポーツで歯を食いしばる人や、重いものを持ち上げる仕事をする人に多くみられます。デスクワークなどでうつむく姿勢が多い人も、軽く歯を食いしばったり舌を上あごにつけるため、空気を飲み込んでしまいがちです。
呑気症を治すためには、まず原因を究明しましょう。原因を知るためには、病院を受診することが大切です。げっぷやお腹の張りが気になる場合は、内科や消化器科で胃腸に問題がないか検査してもらいましょう。人間関係や仕事などが原因と感じる場合には、心療内科を受診することをおすすめします。
治療では、下あごに装着する「スプリント」という器具を使用することがあります。スプリントは、前歯もしくは奥歯に装着することで舌が上あごについてしまう回数を減らすことができます。噛みしめが原因の呑気症に効果があります。
また、呑気症は症状が軽ければ自分で改善することもできます。それでは、自分でできる呑気症改善のポイントを見ていきましょう。
不安や緊張は呑気症を悪化させる要因のひとつです。できるだけリラックスできる環境を整えましょう。例えば、深呼吸をしたりお茶を飲む、アロマテラピーを行うなど、自分なりのリラックス方法を見つけましょう。また、呑気症についてくよくよ考えすぎないようにすることも大切です。
呑気症の人は、食べ物をよく噛まずに早食いの傾向が見られます。時間をかけてよく噛んで食べるように心がけてください。一口30回を目安にするとよいでしょう。
また、炭酸飲料やビールなどは腸内でガスが発生しやすいので避けてください。脂分の多い食事や香辛料も症状を悪化させます。食べるときは少量にしてみましょう。なお、ガムもかむときに空気を飲み込みやすいので避けた方が無難です。
呑気症の主な原因はストレスです。しっかりと睡眠をとることはストレス解消に役立ちます。今日の疲れを残さないよう、十分な休養を取ることを心がけましょう。
呑気症の主な原因はストレスです。ストレスを少しでも減らせるような自分なりのリラックス方法を見つけることが、症状を改善する近道となるでしょう。症状が軽いうちは、ちょっとした心がけで改善することもできます。しかし、症状がひどく気になって仕方ない場合には、病院を受診することをおすすめします。
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