記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
食物繊維を食べるとどのような効果があるのでしょうか?また、摂りすぎて便秘になることがあるというのは本当なのでしょうか?食物繊維の効果や食べ方の注意点などについて解説していきます。
食物繊維は体内では消化・吸収されないで腸に排出されますが、そのときにコレステロールや胆汁酸を吸着した後一緒に排出する働きがあるため、LDLコレステロール減少に繋がります。
とくに、水溶性食物繊維のグルコマンナンには、水分とともに膨らんで増量する性質があるほか、消化速度が遅く量が増えた状態のまま腸壁を刺激するため、排便を促進する効果があります。また、腸内細菌(善玉菌)が繁殖するためのエサとなって、糞便量を増やす効果もあり、水溶性食物繊維には体内のナトリウムを覆って一緒に排出する働きがあることから、血圧を低下させる効果が期待できます。
そのほか、以下の効果も期待されています。
食物繊維を多く摂取しても水分不足の状態では、便が硬くなったり、便秘の原因となることがあるため、味噌汁やスープなどの水分とともに摂るといいでしょう。
また、生のサラダとして食べるよりも加熱することで、消化を良くすることができます。
そして、食物繊維だけを多く摂取しても栄養バランスが崩れてしまうため、他の食品もあわせて摂りましょう。ヨーグルトなどの乳酸菌を豊富に含む発酵食品を一緒に食べると、腸内環境改善に役立ちます。
通常の食生活で食物繊維の過剰摂取が起こる心配はありませんが、サプリメントなどで食物繊維を摂りすぎると、鉄分やカルシウムの吸収を阻害してミネラル不足が起こる恐れがあるため、過剰摂取は避けましょう。
食物繊維が不足すると、腸内環境の悪化に伴い便秘が起こりやすくなり、痔、大腸がん、糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まります。
ただし、便秘の人は、腸壁が波打つように収縮して便のもとを運ぶ「蠕動運動」が低下しているため、不溶性の食物繊維の摂取により便のカサが大きくなると、便がなかなか進まなくなり、大腸内に長時間停留することにより便の水分が腸に吸収されて硬くなります。
食物繊維には不溶性と水溶性の2つの性質がありますが、便秘が重症の人は、便のカサを増す働きのある不溶性食物繊維を多く含む食材は食べ過ぎないようにしましょう。
不溶性食物繊維は、穀類、小麦ふすま、野菜、ごぼう、豆類、キノコ類、果実、海藻、甲殻類(エビやカニ)の殻などに多く含まれていることからもわかるように、ボソボソ、ザラザラとした食感が特徴です。成熟した野菜などに多く含まれており、以下のような特性があります。
食物繊維には、コレステロール抑制、排便促進、血圧低下、がんのリスク低下、糖尿病の予防、食べ過ぎ予防などの効果があります。ただし便秘が重症の人が、便のカサを増す働きのある不溶性食物繊維を食べ過ぎると、便秘が悪化する恐れがあるため、摂取量には注意しましょう。また、サプリメントなどによる過剰摂取にも注意する必要があります。
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