記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/9 記事改定日: 2020/7/1
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「低血糖を起こしたらブドウ糖を摂取するのが基本」といわれますが、具体的にどれくらいの量を摂取すればいいのでしょうか。また、ブドウ糖がないときは砂糖で代用しても大丈夫なのでしょうか。低血糖を起こした人に対して周囲の人ができる対処法も併せて紹介します。
低血糖とは、血液の中の糖分が異常に低くなることで、下記のような症状を引き起こします。
低血糖の症状が出現したら、すぐにブドウ糖を10g、あるいは砂糖20gを摂るようにしましょう。
もしも、手持ちにブドウ糖が無かった場合には、同等の糖分の入った飲料水でも摂取することが可能です。しかし、人工甘味料では効果がありません。人工甘味料ではない糖分かどうかを確認してください。
糖分を摂取して安静にしていても低血糖症状が一向に改善してこないという場合にはもう一度同量のブドウ糖を摂って様子を見ることが望ましいでしょう。
ブドウ糖などの糖分を摂取し、15分ほど経っても低血糖による症状が改善しない場合は、もう一度糖分を補給するようにしましょう。
摂取量は初回と同じく、ブドウ糖10g、または砂糖を20g程度です。また、ブドウ糖を含むジュースであれば150~200mlほど口にするとよいでしょう。
このように糖分を2回摂取しても症状が改善しない場合は、血糖降下薬などの影響で十分に糖分が吸収されていない可能性も考えられます。できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
また、糖分の中でもブドウ糖は素早く吸収されますので、低血糖になりやすい方は常にブドウ糖を持ち歩くようにしてください。
前述したようにブドウ糖の代わりに砂糖を摂取することも悪いことではありません。しかし、ブドウ糖の代用品として砂糖を携帯して摂取すればいい、と安易に考えるのはあまり得策ではありません。
その理由として、砂糖は分解されて最も吸収しやすい形態であるブドウ糖になるまでに時間がかかるため、低血糖症状の早期改善を期待することができないからです。
また、糖尿病治療薬の一種であるαグルコシダーゼ阻害薬(グルコバイ、ベイスン、セイブル)を服用している人の場合はショ糖である砂糖は吸収されないため、砂糖を摂取しても全く効果がありません。ブドウ糖を携帯して摂取するようにしましょう。
低血糖となり意識障害が出現してしまうと、自力で低血糖症状を改善することができません。そのため、家族や職場の人など身近にいる人にブドウ糖を補給してもらう必要があります。
そのため、身近な人にはあらかじめ低血糖時の症状と対策を説明し、場合によっては注射薬の使用方法を伝えておくことが必要になります。
また、自分が糖尿病であるということを伝えるIDカードを携帯しておくことで、もしも低血糖を起こしたときに自分が糖尿病であることを知っている人がいなかった場合でも対処をしてもらえることもあります。
さらに、処置を施しても意識が回復しない場合や一時的に意識が回復したとしても医療機関を受診する必要があることも伝え、意識が戻らなければ救急車の手配などをしてもらえるように伝えておきましょう。
低血糖症状が出現した場合には、ブドウ糖20gを摂取するのが基本です。砂糖でも代用可能ではありますが、吸収が遅いために低血糖症状の改善に時間がかかったり、人によってはそもそも効果が得られなくなったりする恐れがあります。家族や職場の人に低血糖症状や低血糖時の対処法を伝えておき、低血糖症状に備えるようにしましょう。
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