記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/16
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
鼻出血、いわゆる鼻血は、子供によくみられる症状の一つです。基本的に、小さな子供は大人に比べて鼻血が出やすい傾向がありますが、朝起きたときに子供の布団や顔に血が付いていると、ぎょっとしてしまいますね。
ここでは、子供の鼻血の原因やその対処法について、詳しく説明していきます。
昼間は鼻血を出さない子供が、なぜか寝起きに鼻血を出しているといったケースがたびたびみられます。しかし、合併する症状がない、夜間の少量の鼻血以外に疑わしい点がないようであれば、鼻粘膜の傷が落ち着く1〜2週間は経過を見守るようにしてください。
子供の鼻血は、鼻をかむ、ほじる、こするなどの刺激によって粘膜に傷がつき、その結果として出血するという、物理的な刺激が原因になることがほとんどです。子供の場合は粘膜自体が未熟で、刺激に対する抵抗力も弱いため、ちょっとした刺激でも傷になって出血する可能性が高くなります。また、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などがある場合は、鼻の粘膜はそれらの炎症の影響により、より出血しやすい状況になっていると考えられます。
しかし、1〜2週間が経っても鼻血がダラダラと続く、出血量が多い、あるいは鼻水や鼻づまりなどの鼻炎症をともなうようであれば、一度小児科や耳鼻科を受診してください。非常に稀ではありますが、何らかの血液疾患や鼻の腫瘍性疾患が見つかるケースもあります。
特に、以下のような症状に心当たりがある場合は、すみやかに医療機関に相談をするようにしましょう。
では、実際に子供が鼻血を出したとき、テッシュを鼻に詰めて上を向かせ、後ろの頭のあたりをトントンとするような処置を想像する人もいるかもしれませんが、これでは鼻血は止まりません。
以下、正しい対処の仕方になります。ぜひ、覚えておきましょう。
くり返しますが、1〜2週間が経っても微量の鼻血がダラダラと続く、漫画に出てくるようなドバーッとした出血量の多い鼻血、あるいは鼻水や鼻づまりなどの鼻炎症をともなうような場合は、注意が必要です。一度、小児科や耳鼻科を受診するようにしてください。
なぜなら、子供の鼻血の多くは物理的に粘膜を傷つける鼻いじりで起きますが、風邪やアレルギーなどで鼻の中にかゆみを覚えているようであれば、その治療をしないと、何度も鼻血をくり返すことになるからです。あるいは、血液の病気である白血病、血小板減少症や、先天的な病気が隠されている場合もあります。
寝起きの鼻血が続くときも、鼻や顔に腫れがないか、顔に内出血がないか、あるいは発熱がないかをきちんと確認し、万が一それらの症状がみられる場合には、医療機関に相談をするようにしてください。
また、子供の鼻血は上気道炎、いわゆる風邪をひいたあとに起こりやすいとされていますので、風邪の治りかけの時期には、くれぐれも注意するようにしましょう。
子供はよく鼻血を出すというイメージから、「たいしたことない」と放置してしまう親御さんが少なくないかもしれません。ただし、しかるべき処置をしてもダラダラと出血が続く場合は、何らかの血液疾患や鼻の腫瘍性疾患が見つかる可能性もあります。いつもと違う症状や気になることがあれば決して放置せず、きちんと小児科や耳鼻科を受診するようにしてくださいね。
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