記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/21
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
消化器官の一部であり、食べ物からの栄養・水分吸収の90%を行うといわれるほど、食べ物の消化と栄養の吸収に重要な役割を担う小腸。
今回は、大切な臓器だからこそ知っておきたい小腸について、病気になる可能性や発症し得る病気の種類、小腸の検査方法などを解説していきます。
かつて、小腸に病気が発見されるケースが少なかったことから、医師の間で「小腸は病気になりにくい臓器である」とする定説が信じられていました。
しかし近年、小腸を検査する技術が向上するにつれて、小腸に病気が発症しにくいという定説は誤りであると指摘されるようになってきたのです。
現代では、かつて小腸が病気を発症しにくいと考えられていたのは、小腸全体を診ることのできる精度の高い検査方法がなかったため、とする考え方が主流になっています。医療技術の向上に伴い、小腸を検査する新しい手法が登場したことで、近年の小腸の病気と検査への認識は変わりつつあります。
小腸に発症し得る病気として、現在確認されている代表的なものは以下の通りです。
このように、小腸の病気は小腸そのものに原因がある場合もあれば、小腸以外の臓器・組織の問題から発症することもあります。前述したような症状が1つでも現れているなら、病院で小腸の検査を受けるようにしてください。
近年、小腸の検査方法として積極的に採用されているのは、新しく開発された内視鏡である「バルーン式小腸内視鏡」と「カプセル内視鏡」です。
以下に、バルーン式小腸内視鏡とカプセル内視鏡を使った検査方法をそれぞれご紹介しますので、参考にしてください。
2つのバルーンが取り付けられた外筒と内視鏡を一緒に体内に挿入し、2つのバルーンを交互に膨らませたり萎ませることで小腸を伸縮させ、小腸深部まで撮影・観察します。
アコーディオンのように伸縮する小腸の特性を利用し、1~2時間程度で従来の内視鏡では不可能であった広範囲な小腸の観察や画像の撮影、疾患の処置が可能です。
また、口と肛門の両方からそれぞれ小腸の上部・下部の観察ができるため、小腸全体の状態を把握できるとして期待されています。
錠剤よりも少し大きい程度のカプセルのなかに内視鏡が内蔵されたもので、水と一緒に服用すると消化管の運動で小腸深部まで移動し、撮影してくれます。
小腸の画像を1秒間に2枚撮影し、腰につけた機器に無線で送信してくれる医療機器で、服用から半日程度で自然に体外に排出されます。痛みがないため、患者の身体的負担が少ないのが最大のメリットですが、小腸の状態によっては検査に有効な画像が得られないリスクもあります。
あまり病気にならない臓器として認知されていた小腸ですが、近年の医療技術の進歩により、ほかの臓器と同じように小腸も病気になるとわかってきました。柔らかい組織で構成され、アコーディオンのように伸縮する小腸の検査には、バルーン式小腸内視鏡やカプセル内視鏡といった特殊な内視鏡が使われることが多くなってきています。ただし、どの検査方法が使われるかは個々の症状や医師の判断によって異なるので、確認してください。
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