記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
女性だけでなく、近年は男性の中でも増えつつある「冷え性」。いろいろとセルフケアを試してもなかなか改善されず、お悩みの方も多いのではないでしょうか。今回はそんな冷え性改善に良いとウワサの「漢方」の効果や、選び方のポイントについてご紹介していきます。
冷え性の原因として、貧血や甲状腺機能低下症といった基礎疾患が潜んでいることがありますが、一般的に冷え性は体質的な問題なので、西洋医学での対処がなかなか難しい領域です。一方で漢方は、体の働きをよくして症状を抑えていくことを目的とするので、熱をつくる機能が低下している冷え性体質の治療は得意分野としています。
西洋薬の服用や食生活の見直し、適度な運動などの生活習慣の改善を実施しても冷え性がよくならないという方は、漢方治療で効果が得られるかもしれません。
漢方医学には「気」「血」「水」という概念があり、冷え性はこれらの異常が原因で起こるものととらえられます。ご自身の症状が下記のどのタイプに当てはまるかによって、効果的な漢方は異なっていきます。
気虚タイプの冷え性に対しては、薬用人参などが含まれる、胃腸機能を整えたり新陳代謝を活性化したりする作用のある漢方が適しています。
気滞タイプの冷え性に対しては、理気作用(気持ちや機能を整える作用)のある、柴胡、厚朴、半夏、紫蘇、竜骨などの生薬が配合された漢方が適しています。
血滞タイプの冷え性に対しては、当帰、芍薬、地黄、竜眼肉などの生薬が配合された、栄養を補う作用のある「補血薬」が適しています。
瘀血タイプの冷え性に対しては、血の巡りを改善し、頭痛やめまい、便秘といった諸症状を緩和する作用のある「活血薬」が適しています。当帰、牡丹皮、川芎などの生薬が配合されたものがこれに該当します。
水滞タイプの冷え性に対しては、茯苓、白朮、ヨクイニンなどの生薬が配合された、水の滞りを解消し巡りを整える作用のある「利水薬」が適しています。
一言で冷え性といっても、冷えのタイプや体質によって適した漢方薬は大きく異なります。漢方によって冷え性が改善したという方は少なくないですが、自己判断だけで合わない市販薬を購入してしまうケースもあるので、詳しく診てもらいたい方は漢方外来などの専門外来を受診し、一度相談されることをおすすめします。
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