記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/10/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
クレアチニンの数値が高くなると腎臓にどのような影響があるのでしょうか?また、クレアチニンの数値を改善するためにはどうすればいいのでしょうか?クレアチニンの数値の意味や改善方法について解説していきます。
クレアチニンとは、アミノ酸の一種であるクレアチンが筋肉内でエネルギーを放出する際に産生される代謝物のことです。通常の状態であれば、血液中のクレアチニンは腎臓の糸球体でろ過された後、尿細管での再吸収はあまりされずに尿中に出されますが、腎臓機能に異常がある場合は、尿中に出されるクレアチニン量が減少して血液中に留まるようになります。
血清クレアチニンの量は基本的に、女性よりも男性の方が数値が高く、小児や高齢者は数値が低くなるとされていますが、個人の筋肉量によって数値は異なります。
また、日によって0.2~0.3mg/dLほどは数値が変化するとされており、数値が8.0mg/dL以上となる場合は透析導入を検討する必要があります。
クレアチニンの数値が高くなる場合は、急性腎臓病、慢性腎臓病、心不全などがある可能性があります。
その中でも、腎臓の機能不全が慢性的に持続する病気である慢性腎臓病(CKD)は、日本腎臓学会が作成したCKD診療ガイドによると国内では約1330万人の患者がいるとされており、夜間頻尿・倦怠感・むくみ・息切れなどの自覚症状を感じる頃には既に病態が進行しているといわれています。そのため、健康診断を定期的に行い予防することが重要です。
腎臓機能を調べるためのポピュラーな検査としてクレアチニンの検査がありますが、この検査では、筋肉量によって数値が大きく変わるため男女差が大きく、腎臓機能が半分ほど低下しなければ高い数値が出ないなどのデメリットがあるため、最近ではより精度の高い、推算糸球体濾過量(eGFR)の検査を追加で行うケースが多いです。
推算糸球体濾過量(eGFR)とは、年齢・性別・クレアチニン値から算出できる、腎臓内の糸球体が1分間にろ過している血液量のことです。
eGFRが90ml/分/1.73㎡以上の場合、腎臓機能が健康な状態であることがわかります。
腎臓病の患者さんは、タンパク質、エネルギー、塩分の摂取量に十分に注意する必要があります。また、腎臓病が進行している人はカリウム、水分、リンにも注意が必要のため、医療機関で定期的に検査を行い適切な摂取量を知る必要があります。
体を作ったり、体を動かす際のエネルギーとしても使用される重要な成分ですが、摂り過ぎると、タンパク質が使用された後に残る不要な成分が体に蓄積されていき、腎臓を傷つけたり尿毒症の原因となる恐れがあります。
エネルギーは体を動かすために必要不可欠な成分で、タンパク質、糖、脂質などがエネルギー源となります。エネルギーが足りなくなると、体に十分な力が入らなくなったり筋肉が減少してしまいます。
体内のバランスを整えたり、栄養分の吸収を促進する働きがありますが、摂り過ぎると血圧上昇、むくみ、腎臓が傷つく恐れがあります。
体内のバランスを整えたり、神経の信号を伝達する働きがありますが、摂り過ぎるとしびれ、吐き気、不整脈、心停止などが起こることがあります。
水分は体に必要不可欠なものですが、摂り過ぎるとむくみが悪化したり、心臓や血管に負担がかかる恐れがあります。
カルシウムと一緒に骨や歯を作るために必要となる成分ですが、摂り過ぎると骨がもろくなる、血管がつまる、関節痛、目の充血、皮膚のかゆみなどが起こることがあります。
日常生活や仕事では、以下のようなことに注意する必要があります。
クレアチニンの数値が高くなる場合は、急性腎臓病、慢性腎臓病、心不全などがある可能性があり、クレアチニンの数値を改善するためには、タンパク質、エネルギー、塩分、カリウム、水分、リンの摂取量に注意する必要があります。また、腎臓に負担がかかる生活習慣を改善することも大切です。
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