記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/9
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「HSP(Highly Sensitive Person)」の人は感受性が豊かなために、相手の機嫌が悪いと「自分のせいかな…」と思ってしまったり、何か失敗すると非常に重く受け止めてしまったりと、自己肯定感が低くなりがちな傾向にあります。今回はそんなHSPの人が自己肯定感を高め、生きづらさを解消するためのヒントをご紹介していきます。
HSP(Highly Sensitive Person)の人は非HSPの人と比べ、物音や光、臭い、相手の表情、声、挙動などに敏感です。そのため、仕事中も仕事以外の要素に無意識のうちにふれ、対処をし続けているような状態なので、人一倍難しい状態で業務をこなしているともいえるのです。そんな自分をまずは認め、褒めてあげましょう。
HSPの人はあれこれと細かいところまで気が届くぶん、物事を深く、悪く捉えてしまいがちです。なので「きっとこうだ!」と思うことがあっても、「逆にこの可能性はないか?」と、一度「待て」をするクセをつけるといいかもしれません。
例えば、上司の機嫌が悪かったり、同僚とランチに一緒に行くことが減ってきたりしたとき、HSPの人は「私が気分を害するようなことをしてしまったからだ」と思い込みがちです。そんなときは「でも、クライアントが仕事の納期で無茶振りをしてきていたな」「でも、さっきすれ違ったときに挨拶してくれたな」など、事実を思い浮かべて自分の解釈に反論してみましょう。すると自分の考えの偏りに気づき、自己肯定感へのダメージを防ぎやすくなります。
HSPの人は石橋を叩いて渡るような気質をもっているので、メールを送信するときなど、失礼がないか何度も見直す傾向があります。そして返事が遅かったり、あっさりしたものだったりすると、「自分のメールに失礼があったのかも…」と思ってしまうことがあります。
そんなときは、一度視点を変えてみましょう。自分ではなく「ほかの人が送ったメール」として、第三者の目線で読み直してみるのです。そうすると不思議と、「全然失礼じゃない」と思えてきます。自分が思っているほど、たいていのことは周りの人は気にしていませんし、自身がきちんと仕事をこなしていることが実感しやすくなるでしょう。
仕事でミスをしてしまったときは、誰もが落ち込むものです。しかしHSPの人は繊細なぶん、深く落ち込んでしまう傾向にあります。そのため、「自分なんかこの仕事に向いていない」「足を引っ張ってしまって申し訳ない」と自罰に陥りがちです。
そんなときは、親友や恋人など大切な人が同様に落ち込んでいたとき、自分ならどうフォローをするか考えてみてください。優しく励ましてあげる、ちょっとしたおやつを差し入れてあげるなど、色々あるかと思いますが、その思い浮かんだことを自分にしてあげましょう。それを習慣化しているうちに、いずれは自分の頑張りを素直に評価できるようになり、徐々に自己肯定感を高めていくことができます。
HSPの人は思慮深いぶん、自分の悪い面についつい目がいきがちなので、第三者の目線で自分の頑張りを振り返り、評価してあげるクセをつけることが大切です。最初は難しいかもしれませんが、徐々に実践していくうちに、少しずつ自己肯定感の芽生えを実感できるかと思います。