記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/6
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「緑茶にはメタボの予防効果がある」なんて話を聞いたことはありませんか?今回は、緑茶に含まれるカテキンやカフェインのもつ作用を解説しつつ、この話が本当なのかどうかを解説していきます。
メタボリックシンドロームは、食生活の乱れや運動不足が原因となって内臓脂肪が蓄積し、脂質異常や高血糖、高血圧のうち2つ以上に該当している状態のことです。
そして緑茶に含まれているカテキンには、体内の脂質代謝を活性化させ、メタボの要因である脂肪を消費しやすくして、体脂肪を減らす効果があることが示唆されています。
やや太めの男女80名を2つのグループに分け、食事内容と運動量を普段通りに維持したまま、茶カテキンを含む飲料を1日1本、12週間飲み続けてもらう実験を実施したところ、高濃度茶カテキン飲料を継続して飲んだグループはコントロール飲料を飲んだグループと比べ、体重やBMI、腹部脂肪量(内臓脂肪量、皮下脂肪量)が減少している傾向があることがわかりました。
またそのほかの研究結果からは、高濃度茶カテキンの摂取を続けることで、日常活動時の脂肪燃焼量や食事から摂取した脂肪の燃焼量が増えること、肝臓や筋肉での脂質代謝が活性化することも示唆されています。
これらの点から、緑茶に含まれる茶カテキンには、メタボ予防効果が期待できると考えられているのです。
【 公益社団法人 静岡県茶業会議所 の情報をもとに編集して作成 】
緑茶による肥満抑制作用に関する研究は、上記だけではありません。
静岡大学の茶山和敏准教授の研究によれば、緑茶粉末を2%混ぜた餌を4ヶ月間与えられたマウスは、餌を食べる量が変わらないのにも関わらず、普通の餌を与えたマウスと比べ、お腹の中の脂肪の量がおよそ60%も少なくなっていたそうです。さらに、血液中や肝臓中の脂肪の量も著しく減少していたことが確認されました。
また、緑茶の主要成分である茶カテキンとカフェインの2つの成分が組み合わさると、緑茶と同様の脂肪蓄積抑制作用があることも判明しました。これには、茶カテキンとカフェインのもつ脂肪細胞や肝臓の脂質代謝を改善する作用や、体内の熱産生機能を促す作用が関係しているとのことです。
メタボやメタボ予備軍の人を対象に、茶カテキンが歩行運動に及ぼす効果について検証した実験によれば、茶カテキンの継続摂取と歩行運動を両方とも行った人は、日常的な脂肪の消費量が上がっていたという結果も得られています。
効率よく脂肪を消費したい人や、メタボ予防効果をより向上させたいという人は、緑茶の摂取に加えてウォーキングなども並行して行うといいでしょう。
さまざまな実験結果から、緑茶に含まれるカテキンなどの成分には、脂肪を消費しやすくする効果があることが判明しつつあります。メタボと診断された人もメタボ予備軍の人も、食事内容の改善や運動習慣に加え、緑茶を飲む習慣もはじめてみてはいかがでしょうか。
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