記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/4/5
記事監修医師
前田 裕斗 先生
妊娠10カ月は「臨月」とも言われる時期。赤ちゃんと対面するワクワク感でいっぱいな反面、無事に生まれてくるのかしら……と不安な気持ちもあるかもしれません。ここでは臨月で起きる変化とともに、赤ちゃんを無事に出産するためのヒントをご紹介します。
「臨月」は妊娠36〜40週にあたる期間で、赤ちゃんがいつ生まれてもよい状態になっています。週1回のペースで医師の診察を受けてお腹の状態を確認します。
胎児の体内器官は十分に成長し、体を覆っていた胎脂が剥がれ、肌もピンク色に変化します。また、胎児の頭が下がってくることで母体への圧迫もおさまり、つわりなど、妊娠中のさまざまなトラブルが消え始めます。また、食欲が戻ってくるのもこの時期です。
妊娠37週目から、赤ちゃんがいつ生まれても問題ない状態(正期産)になります。赤ちゃんがさらに下がってくることで、へそより下の部分が膨らんできます。
胎児が脂肪を蓄え始めるため、体重が重くなり、母体の恥骨や腰に負担がかかって痛みも強くなります。妊娠38週目のこの時期から、おしるしや破水など、出産の兆候が現れます。
胎児はだいたい身長50cm、体重3,000gに成長し、いつでも外に出られる状態になっています。母体は、下がった子宮の影響で膀胱が圧迫されるため、尿のトラブル(頻尿や尿漏れなど)やお腹の張りによる疲れや不眠になる傾向があります。
妊娠40週目が出産予定日です。ただ、出産予定日に生まれることは少なく、ほとんどの人が出産予定日の後に出産しています。1週間以上予定日が遅れることもあります。
「正期産」になるのは妊娠37~41週までです。予定日から遅れていても、妊娠41週以内で生まれていれば問題ありません。
ただ、妊娠42週目に入ると「過期産」と呼ばれ、安全な出産のために陣痛誘発剤を使って意図的に陣痛を起こしたり、帝王切開したりする場合もあります。
臨月になり、出産が近づくと、母体には、さまざまなサインが出始めます。
・胎動が減る
・お腹が張る
・前駆陣痛
・おりものが増える
・胃がラクになる
ちなみに「前駆陣痛」とは、体がお産の準備をしているために起きる反応で、本物の陣痛が来る前に不規則に来る陣痛の練習のようなものです。
赤ちゃんを無事に出産するためにできることを2つご紹介します。
運動すると子宮口が開きやすくなるだけでなく、出産の体力もつきます。たとえば、スクワットや散歩は陣痛を促進する効果が期待できると言われています。
出産は陣痛が始まってから出産を終えるまで長時間にわたります。陣痛の痛みを和らげるためにできることや呼吸法など、イメージトレーニングしておきましょう。心の準備をしておくと、いざ陣痛が始まったときも落ち着いて行動しやすくなります。
いかがでしたか?臨月は赤ちゃんがいつ生まれてもよい状態なので、落ち着かない日々が続くかもしれません。でも、じっと家の中で過ごすのではなく、散歩したり、その日をどんなふうに迎えるかを考えたりしながら、赤ちゃんとの出会いを待ちましょう。