記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
頑固な便秘はもやもやとした体調の悪さを感じるだけでなく、気分もなんとなく落ち込んでしまったりするものです。そんな便秘をいち早く解消するためには、水分補給が欠かせません。
では、なぜ便秘には水分補給が必要なのでしょうか?そして、飲み方にコツはあるのでしょうか?
便秘とは、大腸内の便の通過が遅い、大腸内に便が長時間留まってしまうなど、排便が順調に行われない状態のことを指します。1日の排便量はバナナ2本分程度が理想的とされており、極端に少ない場合は便秘を疑ってよいでしょう。
そもそもなぜ便秘が起こるのでしょうか?投薬やストレスなどのはっきりした原因がない場合に起こるのは、急性便秘と呼ばれる一時的に大腸の蠕動運動が鈍ったことによる便秘です。十分に水分を摂取せず、便が凝縮されてこちこちに硬くなると、腸内をスムーズに移動できなくなります。
便がかさかさになりやすいのは、水分量の摂取が少ないためです。特に、ダイエット中などで食べる量を減らすと、食物から摂れる水分量も自然と減ります。また、冬は乾燥しやすい季節ですから、気づかないうちに体からはどんどん水分が失われています。冬は寒くて水を飲むことをためらってしまうことが多いですが、温めた白湯を飲むなどして、積極的に水分を摂るようにしましょう。
水分をたくさん摂取していても便秘になるという人は、主に以下の2つが原因として考えられます。
水分は、適当になんでも摂れば良いというわけではありません。カフェインやカリウムの多く含まれるコーヒーや紅茶・緑茶、トマトジュース・牛乳・ビールなどは、「利尿作用」という水分を早く尿にして排出してしまう作用があります。このため、余計に水分不足となってしまう可能性があります。
また、水分を大腸まで運ぶ役割をする食物繊維などの成分が不足している場合もあります。大腸にまで水分を届ける食物繊維は不溶性食物繊維と呼ばれる成分で、主に大豆やごぼう・小麦ふすまや穀類、野菜類に含まれています。これらの摂取量が少ないと感じたら、積極的に摂取すると良いでしょう。
腸内環境の乱れは、文字通り腸内の悪玉菌と善玉菌のバランスが乱れ、腸の働きが低下した状態です。外食が多い、甘いものやお酒を好んで摂取する、運動不足、ストレスなどに思い当たるところがあれば、改善するようにしましょう。
便秘解消のためには、1日の摂取量と、摂取の仕方の両面から改善していくと効果的です。
口から摂取した水が腸に届く量は意外に少なく、飲んだ量の約10%です。そこで、1日に飲む水の理想は、1.5〜2Lとされています。しかしこれはあくまでも総量であり、1度に2L摂取するのではなく、少しずつ1日かけてこまめにゆっくり摂取することが大切です。起床直後や通勤・通学などで運動した後、入浴後や就寝前など、喉が渇いたなと感じたらこまめに水分を摂りましょう。
1度に大量の水分を摂取すると、腎臓に負担がかかり、むくみなどの原因になることもあります。また、腎臓の処理能力を超えると水中毒という危険な状態を引き起こす恐れもありますので、くれぐれも1度に何リットルも飲みすぎないよう注意しましょう。ペットボトルやタンブラーで常に新鮮な水を持ち歩き、こまめに水分補給するのがおすすめです。
また、寝起きにグラス1杯の水を飲むことは、代謝を良くしてくれます。これは、冷たい水の刺激によって眠っていたときの副交感神経から交感神経へとシフトチェンジされ、腸を始めとして体全体の器官の活動が活発になるためです。
これらの飲み方は、1週間ほど続けると効果がでてきます。また、同時に適度な運動を取り入れることもより効果的です。新鮮な水を持ちながら、散歩やウォーキングなどをすると良いでしょう。
便秘の解消には、水分が欠かせません。特に、あまり水を飲む習慣がない、または、ダイエット中などで食事量が減っている人はぜひ水を多く飲むようにしましょう。飲み方も一気に2L飲むのではなく、1日かけてゆっくりこまめに少しずつ摂取しましょう。
まずは、起床後最初の1杯を飲むことから始め、腸を元気に保ちましょう。
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