記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/11/29
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
いよいよインフルエンザシーズンの到来です。ただ、冬場は普通の風邪も流行っているので、熱が出てもインフルエンザかどうか確信がもてず、対処が遅れてしまうことも。そこで今回は、インフルエンザで特徴的な初期症状についてお伝えしていきます。
「インフルエンザ」は、強力な感染力を持つインフルエンザウイルスを原因とする、呼吸器感染症です。潜伏期間は1~4日ほどで、発熱、鼻水、咳、頭痛、のどの痛みといったいわゆる「風邪」と似た症状があらわれますが、特徴的な初期症状として、突然の背中がゾクゾクとするような悪寒、強い倦怠感があり、38℃以上の急な高熱、頭痛、関節痛、全身の筋肉痛があらわれます。
呼吸器症状は比較的軽く、のどのいがらっぽい痛みや乾いた咳があり、その後に痰がからむ咳となって重い場合には呼吸困難に陥ることもあります。
2~3日でだいたいの症状は治まりますが、体内にはまだウイルスがあるので、熱が下がっても最低2日間は外出を避ける必要があります。また、合併症に肺炎などがあり、咳が悪化したり呼吸が苦しい、2週間経っても熱が下がらないなどの症状が続く場合は医療機関で受診しましょう。特に小児の場合、下痢や腹痛、嘔吐などの消化器症状が出ることがあり、急性中耳炎、熱性けいれん、まれにですが脳症を起こすこともあるので注意が必要です。
一般的な風邪は、さまざまなウイルスが粘膜を通して体内に侵入し炎症などを起こして発症しますが、症状は比較的軽いものが多く、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、たん、発熱など、部分的・限定的です。
しかしインフルエンザでは、風邪と似た症状もありますが、急激な高熱をはじめとしたつらい全身症状が5日間ほど続くことになります。突然の高熱と激しい全身症状は、インフルエンザの特徴です。
また、風邪の発症時期は1年中ですが、インフルエンザの発症は特に12~翌3月に集中しています。ただし、毎年流行するインフルエンザにはA型とB型があり基本的に症状は同じですが、B型の場合には熱が上がらない場合や下痢や吐き気などの消化器症状も多く、特に2~3月に集中するといった特徴があります。
インフルエンザの検査にはいくつかの種類がありますが、最近主流となっているのが15分程度の検査でA型かB型かも含めすぐに結果が出る「迅速診断キット」の使用です。
しかし、インフルエンザで発熱しても、発熱後すぐだとウイルスの数が少なく検査で陰性になってしまう場合があります。迅速診断キットで確実に判定するには、発症後12時間以上経ちウイルスが増殖していることが必要です。
一方、病院で処方される抗インフルエンザ薬は、発症後48時間以内に服用しないとその効果を十分に発揮することができません。インフルエンザウイルスに直接効くのは抗インフルエンザ薬だけですから、早目に病院で受診し、発症してから12時間~48時間に検査、治療を受けるようにしましょう。
インフルエンザでは風邪と似た症状があらわれますが、特徴的な初期症状として、突然の悪寒、強い倦怠感があり、38℃以上の急な高熱、頭痛、関節痛、全身の筋肉痛など激しい全身症状があらわれます。抗インフルエンザ薬の有効期間は限られているので、症状が現れたら発熱から12~48時間の間に病院を受診するようにしましょう。
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