記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/12/10
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
日本では「成人の10人に1人は胆石がある」といわれるほど、日本人には胆石が多いです。しかし、胆石は痛みが起きるまで自覚症状が出ないため、なかなか気がつきません。しかもゆっくりと大きくなるため、中高年になって突然痛みが出ることも少なくありません。
今回は胆石ができる原因や予防方法などをまとめました。日頃から気をつけて胆石の激痛を回避しましょう!
胆石は、胆嚢や胆管にできる石のことです。消化液である胆汁が肝臓でつくられ、胆汁は胆管を通って十二指腸に放出されますが、その胆汁の中に石ができてしまうことがあります。石の大きさや数は人によって違います。
胆石の痛みは激しく、救急車で運ばれる人もいるほどです。タイミング的には、食事の後などに急激にみぞおち付近に激痛が起き、身動きがとれなくなることがあります。また、食事をするたびに、みぞおち辺りに痛みが起き、痛みを繰り返す場合は、胆石の疑いがありますので、すぐに病院に行きましょう。
日本人の胆石の70~80%を占めているのは「コレステロール胆石」です。コレステロール胆石はレントゲンに映りにくいのが特徴で、発見が遅れる原因ともなっています。胆石ができる原因は、脂肪の摂りすぎが主ですが、他にも色々な原因があります。
また、女性は特にホルモンの影響から、男性の2~3倍胆石ができやすいとされています。日頃から食生活などに気をつける必要があります。
胆石の痛みが起きた場合、まず食事を中止します。そして鎮痛剤や鎮痙剤を飲みます。胆嚢炎が起きている場合は、胆嚢に針を刺して胆汁を吸引し、胆嚢内の圧力を下げます。そうすると胆石による炎症が軽減され、痛みも瞬時に消える人が多いです。
その後、胆石の大きさなどに合わせて色々な治療がなされます。
薬で胆汁の性質を変化させ、分泌量を増やし、胆汁で胆石を溶かします。しかし、胆石の数が多い場合や胆石が大きすぎる場合は、薬で完全に溶かしてしまうのは困難ですが、胆石の痛みを和らげる手段として用いられています。
検査用の超音波よりも大きなエネルギーの超音波を体外から照射して胆石を粉砕します。粉砕した破片は自然と排出されます。人によって通院回数や効果が違いますが、薬では溶かせない大きさの胆石に効果的です。
体質的に胆石ができる人が多いため、再発の可能性が高いのが難点です。そのため、人によっては胆石のできてしまった胆嚢を全摘します。胆嚢に胆石ができた人は、胆嚢が正常に機能していないことが多く、全摘しても消化への影響はほぼ無いとされています。切除の方法は腹腔鏡下法手術と開腹法手術があり、炎症が軽い場合は腹腔鏡下法手術、炎症が激しい場合は開腹法手術が適用されることが多いです。
日本人に多いコレステロール胆石は、食事の洋風化が主な原因とされています。胆石の予防や再発防止のために、生活習慣を見直しましょう。
揚げ物や脂肪の多い肉など、脂質の多い食べ物を多く食べ続けることで、胆汁のコレステロールの濃度が高くなりすぎます。そうするコレステロールが結晶化して胆石ができるので、脂質は控えましょう。
食事を抜くと食事の間隔が長くなり、胆汁の濃度が高い状態が続きます。結果的に成分が結晶化しやすくなります。そのため、食事抜きダイエットなども注意が必要です。時間的にも偏らず、3食をバランス良く食べましょう。コレステロール値を下げる青魚を食べるのも効果的です。
運動は善玉コレステロールを増やし、不要なコレステロールを減らします。さらに、胆汁の流れもスムーズになるため、結晶化を防止できます。週に3回はランニングや散歩をするなど、運動習慣を身につけましょう。
胆石の痛みは人によって出るタイミングが異なりますが、脂っこい食事や過労、不規則な食事、暴飲暴食が引き金になることが多いです。日頃の生活を見直し、胆石を予防しましょう。定期的な運動は胆石予防だけでなく、様々な病気の予防に繋がります。楽しく運動ができる環境づくりも大切です。
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