記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2019/1/17
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
通勤電車内や外出中はイヤホンが欠かせない!という方は特に若い世代に多いのではないでしょうか。ただ、長時間のイヤホンのつけっぱなしで、なんと耳の中にカビが生えることがあるとご存知でしたか?要注意な症状など、詳しくご紹介していきます。
「カビ」というと、部屋の水回りや靴、服などに生えるものと思いがちですが、実は体にもカビは生えることがあります。そのうちの一つが、耳の中にカビが生える「外耳道真菌症」です。
外耳道とは、耳の穴から鼓膜まで続くトンネルのことです。この外耳道の中がカビの好む高温多湿の状態になり、カビが繁殖した状態を外耳道真菌症と呼びます。イヤホンのつけっぱなしは外耳道を蒸れさせ、また擦って傷つける原因になりうるため、長時間イヤホンをつけている人は注意が必要です。
耳にカビが生える外耳道真菌症を発症すると、耳の中で強い痛みやかゆみを感じるようになります。またこのほかにも耳だれが出たり、耳が詰まって難聴気味になったりすることも少なくありません。
外耳道真菌症は自然治癒することは基本的にないので、耳鼻咽喉科で治療をする必要があります。耳鼻咽喉科での治療は、外耳道の清掃やカビの除去・消毒が基本です。患部に抗生物質入りのステロイド軟膏や抗生物質入りの点耳薬の投与を行う場合もあります。
また、重度の場合は抗生物質や鎮痛薬の内服治療も並行して行っていきます。
イヤホンによる耳カビを防ぐには、なんといってもイヤホンのつけっぱなしを避けることが大切です。少なくとも1時間に1回は5分程度イヤホンをつけない時間を設け、耳を換気しましょう。
また、耳栓のような形をしているカナル型イヤホンは、密閉率が高い分、耳カビの発症リスクも高いです。毎日長時間音楽を聴くという方は、耳にかけるタイプのイヤホンやヘッドホンを選ぶことをおすすめします。
あと、イヤホンは定期的に消毒しましょう。耳に接する部分はもちろん、イヤーピースの穴の内側も消毒用アルコールの染みた綿棒などを使って除菌することが大切です。
毎日長時間イヤホンをつける方で「なんだか最近耳の中が痛いなぁ」という場合、もしかすると耳カビが発生しているサインかもしれません。イヤホンのつけっぱなしは難聴にもつながるリスクがあるので、こまめに耳を休める時間をつくったり、耳への負担の少ないヘッドホンなどの着用を検討しましょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。
この記事の続きはこちら