記事監修医師
前田 裕斗 先生
2017/4/10 記事改定日: 2019/9/2
記事改定回数:3回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
妊娠中の鼻づまりは、妊娠16週目ごろから始まることの多いといわれています。実際、鼻のかみすぎで鼻血が出てしまう妊婦さんも少なくありません。では、なぜ妊娠中に鼻づまりが起きてしまうのでしょうか?
妊娠中はエストロゲンとプロゲステロンの分泌が活発になることで血流がよくなり、鼻をはじめとした体中の粘膜に血が巡ります。すると粘膜が腫れて、鼻づまりが起きるようになってしまうのです。そしてここで鼻をかむ回数が増えると、鼻血が出やすくなります。こうした鼻づまりや鼻血は、妊娠中よくある症状のひとつでもあります。
上記でも説明したように、妊娠中の鼻血の主な原因はエストロゲンとプロゲステロンの分泌が活発になることです。そのため妊娠中であれば、どの時期も同様に鼻血が出やすくなる可能性があります。
また、妊娠中の鼻血は女性ホルモン変化だけでなく、いくつかの要因が絡みあうことで発生している場合もあります。いつ鼻血が出てもいいように備えておきましょう。
鼻づまりや鼻血の症状は、妊娠が終わるまで続きます。むしろ、妊娠が進むにつれて、鼻づまりは徐々に悪化していきます。また、妊娠中は鼻づまりや鼻血だけでなく後鼻漏(鼻水が喉の方へ流れ落ちること)も起きやすくなり、夜の咳や吐き気に悩まされる場合もあります。
以下に、妊娠中の鼻づまりや鼻水の対処法をご紹介します。
鼻の粘膜を傷つけずに空気の通り道を確保するために、正しく鼻をかみましょう。親指で片方の穴を押さえ、もう片方から優しく息を吐いてください。反対側も同じようにし、鼻で呼吸ができるようになるまで繰り返してください。
抗ヒスタミン剤や鼻スプレーは、妊娠中は使用を控えたほうがいいものがほとんどですが、あまりにも症状が辛い場合は、代用品について医師に相談してみましょう。鼻腔拡張テープや生理食塩水の鼻スプレーなど、母子に影響しない代用品もあります。
加湿器で空気の乾燥を防ぐのもいい方法です。空気が湿っていると、鼻への負担を減らすことができます。
鼻の中の乾燥を解消するために、綿棒などで鼻の穴や鼻の下にワセリンを塗るのも有効です。
ビタミンCによって毛細血管が強くなり、鼻血が出るのを防いでくれます。オレンジジュースをたくさん飲んだり、キウイやトマトといったビタミンCが豊富な果物や野菜を多く食べるようにするのもおすすめです。
鼻血が出たときは少し前かがみになり、鼻の穴より少し上のあたりと鼻筋の下あたりをつまんで5分間そのまま待ってみてください。鼻血が逆流してしまうので、絶対に上を向いてはいけません。これでも鼻血が止まらない場合、これを何度か繰り返してみてください。頻繁に鼻血が出る場合は、医師に相談しましょう。
妊娠中の鼻づまりや鼻血はエストロゲンとプロゲステロンの分泌が活発になることが原因のため、こうした症状が起こるのはある程度仕方がないことです。基本的には鼻づまりになったり、鼻血が出たときに都度対応することになると思います。
ただし、もともとアレルギー性鼻炎を持っている場合は、アレルゲンに近づかないことが重要です。また、鼻の粘膜が弱くなっているので、鼻を強くかんだり鼻を頻繁にいじることはやめましょう。