乾癬

2017/5/17

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

冷凍宅配食の「ナッシュ」
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概要

乾癬とは、皮膚に太く赤い斑点と薄片状の白い斑点を生じて鱗状に見える一般的な慢性状態です。乾癬は伝染性ではなく、他の人から乾癬がうつることはありません。 また体の他の部分にが広がることはありません。

症状

乾癬は、身体のあらゆる場所(頭皮、手のひら、足の裏、口および関節部の皮膚など)で生じ得ますが、特に膝および肘の皮膚に頻繁に生じます。
乾癬の症状には次のようなものがあります。
・皮膚にピンクまたは赤い発疹が鱗状に出る
・乾燥し、ひび割れたまたは薄片状の皮膚ができる(時には出血を伴う)
・皮膚がかゆくなったり、痛くなる
・厚くてくぼんだ爪
・膿がたまった水疱が皮膚の赤い発疹の上にできるなる(より重篤な場合)

原因

乾癬は免疫系から始まります。 免疫システムは、通常、細菌やウイルスを攻撃して、感染や病気から身体を保護します。 しかし、乾癬では、免疫系の一部である白血球の一種が、誤って皮膚細胞を攻撃します。乾癬は家族内で発症しやすく、通常10歳から45歳の間にかかります。
乾癬を有する人々は何の症状も出ない潜伏期を経ることがあります。 また反対に、乾癬が悪化する時期もあります。 乾癬の悪化を引き起こす可能性のあるものには以下のものがあります。
・感染症(連鎖球菌性咽頭炎や一般的な風邪など)
・免疫系を弱める病気
・ストレス
・特定の医薬品(高血圧治療薬であるβ遮断薬など)
・皮膚への刺激
・寒い気候
・喫煙

治療

乾癬にはたくさんの治療法があります。 医師は、どの方法が最適なのかを判断してくれますが、まず市販の商品で肌の潤いを保つことが良いでしょう。ボディローションは、肌の乾燥や割れを防ぎ、発疹を減少させることに役立ちます。エプソム塩、バスオイルで毎日入浴すると、赤みを和らげます。
患部に塗布するため処方されたクリーム、軟膏、ローション、ジェル(局所用薬剤とも呼ばれる)は、乾癬を治療するためによく使用されます。 薬が皮膚に留まるよう、塗布してからラップ(サランラップなど)で覆ってください。
外用薬でよく処方される他の選択肢としては、コルチコステロイド、ビタミンD3製剤、パインタールなどがあります。 特別なシャンプーは、頭皮の乾癬に使用できます。
深刻な乾癬の場合、抗生物質などの薬を錠剤の形で処方されることがあります。こうした薬の中には副作用を引き起こすものもあるため、医師は薬を短期間だけ処方してから別の治療法を行うことがあります。
日光浴も乾癬に効き目がありますが、太陽に長時間さらされないように注意してください。日焼けは乾癬を悪化させる可能性があります。乾癬の治療法として日光浴を安全に試みるには、医師に相談しましょう。
光線療法は、乾癬の治療に用いることのできる代替療法の一つです。 この治療では、感染した皮膚に感光性の薬剤ソラレンを外用もしくは内服した後、調整された人工太陽光に曝します。 これは「PUVA療法」と呼ばれています。 この治療法については医師に相談してください。

完治の可能性

乾癬は通常、治療によって改善されますが、完全に消えないこともあります。 乾癬の鱗屑は、治療を始めれば改善されるはずです。 冒された皮膚の部分が正常な厚さに戻るためには2〜6週間かかることがありますが、赤みが改善するまで数ヶ月かかることがあります。 場合によっては、ある鱗片状の斑点が改善すると同時に他の斑点が悪化することもあります。
特定のタイプの薬をしばらく使用した後は、乾癬はその薬に「慣れてしまう」かもしれません。 こうなると、その薬は以前ほど効果がでなくなるかもしれません。 このため医師は薬より強力なものに変更する場合があります。乾癬を治療しても良くなっていないようであれば、医師に相談しましょう。

医師に相談するための質問

・どのような治療法が私にとって最適ですか?
・痛みやかゆみを和らげるために自宅でできることはありますか?
・シャンプーは市販のものを使用して良いですか?
・これから一生薬に頼らなければならないでしょうか?
・乾癬にかかっていますが、周囲に感染しますか?
・スキンケアの方法を変える必要はありますか?

この記事に含まれるキーワード

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