褥瘡

2017/3/15

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 医学博士

三上 貴浩 先生

概要

褥瘡は、皮膚および組織の損傷(挫滅)のことです。床ずれ、圧迫性潰瘍、褥瘡潰瘍とも呼ばれます。

症状

褥瘡には4段階あります。各段階での症状は次のとおりです。

ステージ1

皮膚が赤くなったり、熱く感じたり、かゆくなることがあります。黒っぽい肌の人の場合、褥瘡は青色や紫色といった色合いになることがあります。

ステージ2

より大きな傷になり、激しい痛みのある摩耗痕や、水疱のような皮膚潰瘍になる可能性があります。傷の周りの皮膚は、変色することがあります。

ステージ3

皮膚の下の組織にも傷が増え、クレーター状になり、深い傷になります。

ステージ4

皮膚と組織は重度の損傷を受け、大きな傷になります。この段階では、筋肉、骨、腱や関節に影響を与える可能性があります。

褥瘡になる部位は?

通常、身体中の骨の部分で発生します。かかとやお尻が最も発生率が高く、ほかには尾骨、肩甲骨、膝の後部・側部、後頭部があります。

原因

一定の姿勢で長時間座ったり寝たりすることで、特定の部分に圧力がかかり、皮膚の下の組織および皮膚への血液供給が減少し、痛みにつながります。

褥瘡になりやすい人は?

一定の姿勢で長時間座ったり、横になっている人は、発症の可能性があります。
麻痺状態の人や、車椅子の人、ほとんどの時間をベッドで過ごす人などはリスクが高いですが、健康な人であっても、病気や怪我のために寝続けて褥瘡をおこす可能性があります。糖尿病や動脈硬化などの慢性疾患の人は、血行不良のために治りにくくなります。

治療

早く治すために有効なのは、以下の方法です。

・圧力を和らげる
・痛みそのものを治療する
・栄養状態などを改善する

痛みを軽減するには?

・褥瘡を下にして寝ない
・発泡パッドや枕を使う
・良いマットレス、マットレスカバー、シートクッションなどを使う
・枕を敷く
横になるときは股関節の骨を直接下にせず、体重がお尻にかかるよう、片側の下に枕を敷き、膝と足首を離してください。
背中を下にして横になるときは、つま先がベッドから少し持ち上がるよう、下部腓骨の下に枕を置きます。
・横になるときは、少なくとも2時間ごとに姿勢を変える
・座るときは、15分ごとに姿勢を変える
自分で動かせない場合は、介護者に手伝ってもらいましょう。
・良い姿勢で座る

褥瘡を清潔に保つには?

褥瘡は清潔にするとともに、膿をなくす必要があります。
ステージ1の場合は石鹸と水で、ステージ3の場合は塩と水の溶液でそれぞれすすぐことで、傷口をきれいにできます。医師や看護師に方法を聞いてみるのもいいでしょう。
また、褥瘡の傷口は包帯で覆うことが望ましいです。包帯には、シースルーフィルムや親水コロイド包帯などのタイプもあります。親水コロイド包帯はゲルでできており、皮膚の再生や治療を促進します。これらの包帯は数日間つけたままにできます。
ほかには、湿ったガーゼ包帯を傷口に付けて、乾燥させる方法が有効です。 膿はガーゼに付着し、ガーゼとともに取り除かれます。ガーゼを使用する場合、ガーゼは湿った状態に保ち、少なくとも1日1回交換する必要があります。また深刻な褥瘡の場合、外科的に除去しなければなりません(注:デブリドマンという)。
膿を除去し、きれいにすることは痛みが伴います。 痛みを軽減するために、包袋を変える30〜60分前に鎮痛薬を服用することを、医師は推奨しています。

関連知識

傷を治癒するために栄養が重要な理由は?

栄養で傷が治りやすくなります。十分なカロリー、タンパク質やほかの栄養素(ビタミンCと亜鉛は傷を治すのに効果的)を摂取していないと、褥瘡を治すことはできません。医師や看護師、栄養士は食事のアドバイスができるので、最近体重が減少・増加した場合は必ず相談してください。

傷が改善しているかどうかの目安は?

褥瘡が治癒すると徐々に小さくなり、膿の排出が少なくなります。そして新しい組織が傷口の底で成長し始めます。この新しい組織は薄い赤やピンクで、塊状で光沢があります。ここに至るまで、2〜4週間かかることがあります。

合併症

傷が感染した場合

褥瘡は、身体の残りの部分に危険な感染を広げる可能性があります。 以下の感染症の兆候が見える場合は、すぐに医師に相談してください。
・黄色や緑色の膿
・傷口からの悪臭
・傷口周辺の赤みや熱
・傷口周辺の腫れ
・傷口周辺の痛み
・発熱
・寒気
・精神的な影響や集中困難
・急速な心拍
・脱力感

感染した褥瘡の治療法

治療法は、感染のレベルによって変わります。傷口だけが感染している場合は、抗生物質の軟膏を傷口につけます。骨や深部組織が感染している場合は、抗生物質が必要となることがあります。静脈内注射、または経口にて投与することができます。

予防

・一箇所への長引く圧力を避ける
最も重要なことです。
・肌をきれいに保つ
低刺激の石鹸と適温のお湯を使用してください。あまり乾燥しないよう、保湿剤を塗布してください。
・身体全体で斑点、色の変化や傷跡をチェックする
ベッドや車椅子で多くの時間を過ごす場合は、傷が最も発生しやすい圧力ポイントには特に注意してください。
・禁煙する
喫煙者は褥瘡を発症する可能性が高まります。
・運動する
血流を改善し、筋肉を強化し、全体の健康を改善するのに役立ちます。運動が困難な場合は医師に相談して、代わりの方法や理学療法士を紹介してもらう方法もあります。

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