記事監修医師
東京大学医学部卒 医学博士
子宮内発育不全(IUGR)は、胎児が子宮内で正常な速度で成長していないことで、 通常、少ない体重で生まれます(低出生体重児)。
出生時に小さい乳児の約3分の1が子宮内発育不全、あとは標準よりも小さいだけです。幼児、子供、大人のサイズが異なるように、胎児の大きさもさまざまです。両親や兄姉も小さいと、小さく生まれてくることもあります。
妊娠中、出産後ともに、特定の問題を有する可能性があります。問題は以下になります。
・膣分娩の圧力に耐えられない可能性
・死産の危険性
・出生時の低血糖
・感染に対する低い耐性
・体温の維持ができない可能性
・異常に高い赤血球数
約2歳までに平均的な高さに追いつきます。
子宮内発育不全にはさまざまな原因があります。最も一般的な原因は、胎盤(酸素、栄養を胎児に運ぶ組織)の問題です。先天性疾患や遺伝疾患も子宮内発育不全を引き起こす可能性があります。母親が感染、高血圧、腎臓病、心臓病または鎌状赤血球貧血症である場合、または喫煙、アルコール飲料または薬物乱用の場合、彼女の胎児は子宮内発育不全を発症する可能性があります。 時には、母親が服用している処方薬が子宮内発育不全を引き起こします。
子宮内発育不全の原因のほとんどはあなたのコントロールの範囲を超えています。通常、母親が乳児の子宮内発育不全の原因となるものは何もありません。しかし、たばこを吸う、アルコールを飲む、薬を乱用すると、胎児に子宮内発育不全が起こることがあります。
子宮内発育不全が、再度の妊娠に引き継がれることは基本的にはありません。しかし、一部の女性では再び起こります。妊娠中の高血圧などの病気が原因で子宮内発育不全を引き起こしてしまうケースがあるのです。妊娠前および妊娠中に病気をうまくコントロールすることで、子宮内発育不全に罹患した乳児を抱えるリスクが低くなります。
妊娠中、医師は胎児が正常に成長しているかどうか検査を行います。子宮内の胎児の成長をチェックするため、主に超音波検査を用いて調べます。
超音波検査で胎児の頭部、腹部、脚のサイズや子宮内の羊水の量を調べます。胎児が小さい、または羊水の量が少ない場合、超音波検査が通常より頻繁になることもあります。
ひとつはモニタリングで、子宮内の胎児の心拍を聞き、正常かどうかチェックします。
もうひとつは羊水穿刺で、羊水の少量を針で抜き取り、遺伝的問題を引き起こす可能性のある感染や染色体異常を調べます。
出生前の受診を継続して、胎児の動きの頻度をチェックします。 頻繁に動き回る胎児は、通常健康ですが、頻繁な動きがないことに気がついたら、医師に相談してください。
また、健康的な食べ物をたくさん食べ、妊娠中に必要な推奨カロリーを摂取します。よく眠ることも胎児の成長につながります。8時間以上の睡眠を取るようにしてください。午後に1~2時間休むことも母体にいいことで、喫煙、アルコール、違法ドラッグなどは止めてください。自分の健康改善が胎児を健康にします。
出産時期は、胎児の成長によって異なります。子宮内発育不全の胎児が子宮内で成長し続けることがあり、体重が増え続けているならば、早産の必要も特にありませんが、まったく成長していない、または他の問題がある場合、早産が必要になります。 胎児の心拍数と動きを注意深く診て、医師が決定を下します。
分娩中、胎児に問題がなければ、膣内娩出になります。子宮内発育不全の胎児にとっては、分娩のストレスが大きいため、胎児が分娩中に問題を抱えている場合は、帝王切開がより安全になります。
早産の場合、正常に呼吸し、正常に栄養が摂取できるようになるまで、病院に入院しなければなりません。赤ちゃんが生まれた後、医師は、体重をチェックし、成長を確認します。一般的に、体重が約2キロになり、正常な呼吸と栄養摂取ができるまで入院します。
・どのくらいの頻度で超音波検査する必要がありますか?
・自分の赤ちゃんは標準よりも体重が少ないですか?
・子宮内成長不全ですか?
・子宮内成長不全の原因は何ですか?
・赤ちゃんの治療は必要ですか? どんな治療法がありますか?
・早産の必要がありますか? Cセクションは必要ですか?
・出産前、自宅ではどんな点に注意すればいいですか?
・出産後、赤ちゃんにはどんな健康上の問題がありますか?
・特別なケアが必要ですか? 病院に入院する必要がありますか?